ニートだけの会社を立ち上げる試みがスタートしました。その名も「NEET株式会社(仮称)」。全国から集まったニート全員が取締役です。これまでにはない新しい企画で、「どうせ駄目だろう」という声も多いですが、おそらく成功するのではないかと考えます。その理由は、「人間は仕事をすることで成長する」という大原則があるからです。仕事を通じて、人と交わり、失敗をし、喜びを感じることを経験する。これが人材育成を支えている基盤となります。
●人材育成の鍵は、目標とコミュニケーション
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」は、山本五十六の有名な言葉ですが、人を育てる方法を言い当てています。他人を動かすには、ガミガミと叱るだけでなく、その気にさせる工夫が大切です。
人材育成の鍵は、目標とコミュニケーションの本質を理解させてあげられるかどうかが握っています。目標とは、「企業理念」のこと。何のために自分たちの会社は存在するのか、社会に何を貢献しているかを示してあげてください。「企業理念」を伝える、伝えないで、人材の成長度合いは違ってきます。
また、他者とのコミュニケーションについては、相手の表面的な言葉だけでなく、相手の真意(なぜ、その様に言うのか)を見つけることが重要と教えてあげてください。これらは若者だけに限ったことではなく、今も昔も変わらない人材育成の基本的な考え方です。
●給与アップ以外で満足感を与える施策を
ただ、今の社会問題のひとつである「給料の格差」は考慮する必要があるでしょう。賃金の低さは、会社に対する不満足を増幅させます。しかし、これは経営状況や経済情勢が影響するため、すぐに解決できる問題ではありません。そのため、別の方法で意欲を上げる努力が求められます。「責任を持たせる」「昇進させる」「達成感を与える」など、給与アップ以外で満足感を与える施策を実践してください。
繰り返しになりますが、人は仕事を通じて「現場」で育ちます。ビジョンと計画を作り、現場での育成を柱にしてください。さまざまな研修は、それをサポートする役割にすぎません。
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