『ダークナイト』のクリストファー・ノーラン製作、『300』のザック・スナイダー監督がタッグを組んだ映画『マン・オブ・スティール』がいよいよ8月30日より3D/2Dにて全国公開。どのような運命のもとに生まれた命が、どんな少年時代を送り、どうやってスーパーマンになっていったのかが描かれたこの夏最大の注目作です。
全世界43ヵ国で初登場1位を獲得し、全米では公開3日間で、1億3000万ドル突破のオープニング成績を記録、すでに世界興行収入6億5000万ドルを突破するメガヒットを遂げ、続編も決定。その大迫力かつスピード感あふれる映像には、映画を観た人誰しもが驚かされるでしょう。
ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』のリメイク『ドーン・オブ・ザ・デッド』(04)で鮮烈に監督デビューを果たし、現在2014年3月米国公開予定の『300:Rise of an Empire』のポストプロダクションに入っている、ザック・スナイダー監督にインタビュー。色々とお話を聞いてきました。ちなみに監督の腕に入っているタトゥーは奥様と8人の子供(!)のお名前です。
――――世界中にファンがいる『スーパーマン』の実写化という事で、かなりのプレシャーを感じたのでは無いでしょうか?
ザック・スナイダー:最初クリストファー・ノーランに「スーパーマンの映画興味ある?」って聞かれた時はちょっと迷ったんですよね。難しいかなあと。でも、クリストファーや脚本のデヴィッド・S・ゴイヤーと色々と会話をする中で、ヒーローの苦悩であったり、幼少期にいじめられていた話など、スーパーマンの誕生から描くという事で、他の作品と差別化出来ると合点がいったんですね。クリプトン星の美術や乗り物を設計するのは“Super Fun!”だったよ。実はアール・ヌーボーを意識しているんだ。
――――子供の頃の監督にとって『スーパーマン』ってどんな存在だったのですか?
ザック・スナイダー:コミックスをよく読んでいたし、子供の時から大ファンだったよ。大人になってからもフランク・ミラー版を読んだり。こうして機会を得られて、とても興奮したけど、新しい解釈で自分なりに物語を作り変えて良いと言われたのはほっとしたよ。子供の頃自分が観ていた作品を作るという事はとても緊張するからね。
――――先日主演のヘンリー・カビルにインタビューした時、彼は子供の頃に「スーパーマンごっこ」をしていたと言っていたのですが、監督はどうですか?
ザック・スナイダー:そりゃそうだよ! みんなやるさ! 首にマントを巻いて、高い所から飛び降りたりするのは誰しもが経験する遊びだよね。
――――“ヒーロー=スーパーマン”といった認識が日本にもありますし、何よりコスチュームがキャッチーですよね。『マン・オブ・スティール』は、映像が大迫力でとても美しく、ここまですごい映像をみせられると、監督がいつか日本のアニメや漫画を実写化するんじゃないかと期待してしまいます。
ザック・スナイダー:『AKIRA』の実写化は以前オファーされた事があったんだ。その時に僕が「日本人の俳優を使って、日本でロケをするならOK」と言ったら話が流れてしまったんだよね。日本の作品なのだから日本で映画を撮るのは当然だと思うのだけど、そんな事があってご存知の通り『AKIRA』はまだ実写化されていないんだ。
後は、アニメや漫画では無いんだけど、映画を作る時に頭に必ず浮かんでくるのが『七人の侍』なんですね。物語を書いている時に周りに「ザックこの後どうなるの?」と聞かれると「決まってるだろ『七人の侍』みたいになるんだよ!」と答えてしまうほどに。自分にとって聖杯な様な存在なんだ。『七人の侍』へのオマージュはまだ作れていないからいつか作ってみたいな。
――――天才ザック・スナイダー監督の『七人の侍』。想像するだけでドキドキします。
ザック・スナイダー:映画監督という仕事は生えている草をずっと見ている様な所があって、結構地味な作業なんだよね。だから、もし僕が頭を殴られて一時的に記憶を無くして、まっさらな状態で『マン・オブ・スティール』を観たら、もしかしたら「自分ってすごいのかも?」って思うかもしれない(笑)。でも、現実には自分の事をすごいなんて全然思わないんだ。ただ、僕は映画監督以外の仕事は全くむいていないし、出来ない。映画監督になれなかったらきっとホームレスになっていたと思うよ。
――――楽しいお話どうもありがとうございました!
【関連記事】『マン・オブ・スティール』主演ヘンリー・カビルインタビュー「子供の頃はよく“スーパーマンごっこ”をしたよ」
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