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写真家 須﨑祐次さんの個展『COSPLAY Made in Japan』が、8月24日から広尾『EMON PHOTO GALLEY』でスタートしました。日比谷線広尾駅からほど近い閑静な住宅街にあるこの写真ギャラリーはオープン以来、内外の写真作家をプロデュース、優れた新人作家を紹介する企画展を開催。数多くのフォトグラフィー、映像による新たなムーブメントを発信してきました。
ガジェ通でも取材を続けている『でんぱ組.inc』の写真集『DEMPA MODELS ×100 COSPLAY』のキャッチーな世界が、このハイエンドなアート空間にどうマッチしているのか?興味津々で会場に向かった記者の目に飛び込んできたのは、2つの大きな写真『修道女(nun)』と『セーラー服(sailor』です。
昨年発売された『COSPLAY MADE IN JAPAN』のために新たに須崎さんが撮り下ろした渾身の2作。写真集でも妖しい魅力を放っていましたが、1050mm☓1575mmに拡大されたプリンティングをあらためて観ると、それは教会に対置された聖母像的な輝きに満ちているようでもあり、来場されている人々は、その場で圧倒されてしまうことでしょう。ギャラリーによると、欧米でもサーキュレートをスタートした『COSPLAY 』写真集をいち早く入手したドイツ人アート・コレクターが、この大きな作品を既に購入予約されたとのこと。欧州の美術館をコスプレイたちが巡回する日も近いかも知れませんね。
コスプレイの世界観を直截に体現している2対の側面には、顔が消去された3作品が並びます。女性のバスト、ヒップ、レッグ部分。そこに付加されるコスプレイ・コスチュームの絡まりは、本展のプリンティングを担当された遠藤隆さんによる絶妙な印刷表現によって、肌と衣服が持つ色彩が高度に抽象化されています。記者は、ふとロバート・メイプルソープの『Flowers』を思い起こしました。
メイン展示スペースからセカンド展示スペースに向かう通路には、でんぱ組.incの最上もがさんの全身像が。もがさんは、9月2日の須崎さん、EMON PHOTO GALLEYディレクター小松整司さん、ライターのMatthewChozickさんとのアートなトークショーに「でんぱ組.inc」を代表して参戦するそう。どんな展開になるか、期待大ですね。
静謐なセカンド展示スペースには、魅力的な小品群が数多く展示されています。夢眠ねむさんのポートレートをはじめとする「でんぱ組.inc」がモデリングした作品は、須崎さんのストイックな世界観と微妙に同化しつつ、各メンバーのアートな個性が、お茶目に反撥している様子が垣間見られ、あらたなコスプレイ像を期待させてくれます。
架空の人物に扮する行為とエロティシズムの関係に着目し、15年の年月をかけて構想を練り込んだ須崎さんの作品群が堪能できる『COSPLAY』展は9月14日まで開催されています。「でんぱ組.inc」ファンはもちろん、ファインアート、サブカル愛好家は、この最先端ジャパン・フェティシズム世界に浸ってみてくださいね。
<※写真家 須﨑祐次氏と『東京プレスクラブ弱腰記者』による対話>
[『須崎祐次「 COSPLAY made in japan 展』会場から]2013年08月25日『東京プレスクラブ・YouTube』
https://www.youtube.com/watch?v=9qaCN2kY02M
参考
「【ガジェ通発のクール・ジャパン・プロジェクト!?】須崎祐次のコスプレイシリーズ最新作は「でんぱ組.inc」とコラボ!」2013年07月08日『ガジェット通信』
「でんぱ組.inc・ファン必見!! 写真集『DEMPA MODELS X 100 COSPLAY』記者発表【動画】」2013年08月10日『ガジェット通信』
「ロバート・メイプルソープ」『Wikipedia』
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