これだけは覚えておいて欲しいのですが、地下鉄の線路に降りると感電死する危険があります。

既報の通り、大阪市営地下鉄と思われる線路に自ら飛び降り「人身事故なう」 とツイートするという事件が発生し、ネットを騒がせています。マナーの問題として取り上げられることが多いこの事件ですが、それ以前の問題として、今回の事件は生命の危険に直結しかねません。

実は、地下鉄の線路には思わぬ危険が潜んでいることがあるのです。それは、感電死の危険です。

(後述の通り、今回のケースには当てはまらないのですが)

●実は“3番目の”レールに電気が流れている『第三軌条方式』

多くの場合、地上の鉄道では『架空電車線方式』という方式が採用されており、架線(上部に張られた電線)を通して電車に電気が供給されます。しかし、地下鉄で同じ方式を採用すると、トンネルの高さを確保する必要があり、建設コストがかさむという問題があります。そのため、日本の地下鉄では、『第三軌条方式』(だいさんきじょうほうしき)という、地面に三番目のレールを設置し、そこから電車に電気を供給するというという方式が採用されている場合が多いのです。もちろん、この『第三軌条方式』は、地下鉄の地上区間や地下鉄以外でも採用されている場合があります。

例えば『第三軌条方式』を採用する大阪市営地下鉄御堂筋(みどうすじ)線では、3番目のレールから750Vという高圧の電気が供給されています。もし、うっかり3番目のレールに触れてしまうと、感電してしまうという危険があるのです。感電といっても、ビリビリするというレベルではありません。放っておけば身体が丸焦げになる、と考えて間違いはないでしょう。感電すると身体を動かすことができなくなりますし、感電している人を助けると巻き添えになる危険があるため、誰かの助けに期待することもできません。奇跡でも起きなければ、助からないでしょう。絶望の中で死ぬしかないのです。

ですから、地下鉄の線路には気軽に立ち入ってはいけません。

絶対に、地下鉄の線路には立ち入っていけません。

これは、迷惑というレベルの話ではなく、直接、生命の危険に直結するということなのです。

●事件が起きた路線は?

ただ、写真の背景に写り込んでいる壁面の絵から、事件が起きたのは、大阪市営地下鉄堺筋(さかいすじ)線の恵美須町駅であると思われます。

幸いにも、この路線では先ほど述べた感電の危険は存在しません。『第三軌条方式』ではなく、地上の鉄道と同じ『架空電車線方式』が採用されているためです。写真にも第三軌条は写っていません。だからといって、他の危険がないわけではなく、線路に飛び降りて良いというわけではないのですが。

しかし、もしこの高校生が堺筋線ではなく、御堂筋線などの『第三軌条方式』を採用する路線で事件を起こしていたら? 想像しただけで、ぞっとしますね。

●線路に降りる必要に迫られた場合、どうすれば良い?

とはいえ、馬鹿なツイートをするためではなく、災害などで線路に降りる必要に迫られることもあるでしょう。

しかし、どの路線で『第三軌条方式』が採用されているかを暗記しているのは一部の鉄道マニアぐらいです。また、暗い場所では『第三軌条方式』かどうかを見分けることも難しいかと思われます。したがって、必要に迫られて線路に降りるときは必ず以下の3点を守って下さい。

・必ず乗務員や駅員などの指示に従う。
・(指示が得られない場合)できるだけ線路の真ん中を歩き、むやみに壁に近寄らない。
・感電してしまった人がいたら、素手で助けようとしない。

 (自分も感電する恐れがあります。)

最後に、これだけは頭にたたき込んでおいて下さい。

“地下鉄の線路に降りると感電死する危険があります!”

写真/Twitterより

※この記事はガジェ通ウェブライターの「Butameron」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

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