日本最大にして世界でも最大級の同人誌即売会『コミックマーケット84』(コミケ、C84)が、東京ビッグサイトにて 8月10日の土曜日から12日の月曜日にかけて開催される。読者の中には参加される方も多いだろう。
企業ブースにて声優さんやタレントがプロモーションの一環として参加している例は多いが、一般のブースでも普通に有名人が自分の同人作品を売っていたりする。筆者がここ数年で実際に回ったところを紹介すると――
アニメ『一騎当千』の孫策役をはじめ、いろんな作品に出演している声優の“ますみん”こと浅野真澄さんは、『ハヤテのごとく』の作者・畑健二郎先生とタッグを組んだ“はじめまして”(11日東シ56ab)というサークルで参加するようだ。声優あるある4コマ『それが声優』という同人誌を出していて、これまでに3回参加している。毎回のように行列ができて、終了時間を待たずに売り切れたりするほどの大人気。浅野さんも自ら売り子をやったりしている。
浅野さんはエッセイや絵本などいくつも著書を出しているしている大変多才な方で、かつては『ファイナンシャル魔法少女守銭奴ちゃん』というコミック作品の原案を担当するなど、お金に関して大変考え方がしっかりしている声優としても知られている。『それが声優』シリーズも、キャラは可愛くユーモアもある内容ながら、現実的でシビアな部分も描かれており業界の方からも評判がいいようだ。
また、昨年夏のコミケでは『鋼の錬金術師』のキング・ブラッドレイ役や『NARUTO』の三代目・火影役をはじめ、さまざまな作品に出演している大ベテラン声優の柴田秀勝さんがコミケに“降臨”していた。自身が会長をつとめる声優事務所・RMEの有志により作られたというサークル“秀勝会”(“ひでかつかい”ではなく“ひでしょうかい”だそうで)にて、自伝的作品の『柴田秀勝 役者稼業50年』ほか、自身の出演するドラマCDなどを売ってお渡し会をやってらしたようだ。コミケ準備会の共同代表である筆谷芳行さんも「最年長の参加者?」とツイートしていて話題になっていた。奥様の関根明子さんは伝説のゲーム『ときめきメモリアル』のメガネっ娘の如月美緒役で知られるが、柴田さんの“降臨”よりも付き添いで参加していた関根さんの方に「ときメモやってました!」と感激していた人がいたのもコミケならではと言うべきか。
“秀勝会”(10日東ノ37a)は、今年は昨年売っていたアイテムに加え新刊『柴田秀勝AnimeCharapedia』を販売するとのこと。翌11日には『アキバブログ』でとりあげられていた『おたくの週末』シリーズでおなじみの“Notfoundjob”(11日東S06b)で委託も行うらしい。
また、さまざまなアニメイベントで司会をつとめているニッポン放送の人気アナウンサー吉田尚記さんは、『ガンダム』や『エヴァンゲリオン』といったオタクネタを落語に仕立てたCDを販売している。毎回、着物でキメた落語家スタイルで本人が売り子をしており、見た人が「え? なんで(吉田さんがここに)いるの……」とびっくりしていた例もあった。今回は“練馬産業大学落語研究会”(11日東A38b)にて、『進撃の巨人』をネタにした落語CDを販売するようだ。ジャケットは『ひだまりスケッチ』でおなじみ蒼樹うめさんが手掛けるとのこと。
その他、『うたわれるもの』のエルルゥ役や『武装錬金』の津村斗貴子役で知られる柚木涼香さんも自らの写真集を売っていたり、C78に遡るが『あずまんが大王』のちよちゃん役などでおなじみの金田朋子さんも『小学朋年生』なる同人誌の売り子をつとめていたりと枚挙にいとまがない。いずれにせよ、人気声優やタレントが売り子をしたりしているのに、参加者が行儀よく整然としているのは流石コミケならではというべきだろうか。
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