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私が「コミケにお客様はいません」をあまり使わない理由

2013/01/08 14:31 投稿

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私が「コミケにお客様はいません」をあまり使わない理由

今回は太田たこすさんのブログ『今日の言わせれ』からご寄稿いただきました。

■私が「コミケにお客様はいません」をあまり使わない理由
気づいている人が居るかどうかわかりませんが、私はコミケのベテランが新人さんに良く言う「コミケにお客様はいません、全員参加者です」という決まり文句をあまり使わないようにしています。
この言葉、あまり安易に乱用しない方がいいんじゃないかと思っているんですよ。
もちろん「全く言わない方がいい」なんて言いませんし、言うべき時には言わないといけませんが。

なぜかと言うと、事情を知らない人がいきなり言われて納得の行く論理ではないと思うから。

実際ネットの意見を見ていると、この言葉に不信感や反発を表明している人が結構います。

何を隠そう私自身、コミケに参加するようになった直後にこの言葉を言われて、「うっわ、うさんくせえ!」と思ってしまったんですよ。

コミケ内部において、何故「お客様はいない」という論理が「当たり前のもの」として通用するようになったのか?

その大元の事情を説明してからでないと、この言葉の真意は伝わりません。

それをきれいさっぱり省略しちゃってるケースがやたらと目に付くんですよね、最近は。

方程式の解だけ示されても、その解き方の説明が無ければ教わる方には理解できませんが、それと同じ事が起きているなあと。

(以下「続きを読む」内で)

「コミケにお客様はいない」という言葉は、元々コミケはアマチュア同士の協力の下に開催され始め、ずっとアマチュア主体の運営で大きくなって来た事に起因します。

企業が立ち上げて「お客様を集める」目的で始まったのではなく、「俺たちのイベントを一緒に作ろうぜ!」と始まって、実際アマチュア同士が協力しあって大きくなったイベントなんですよと。

またスタッフは雇われているわけではなく、昼食や飲み物などの支給と多少のお土産だけが報酬で、金銭的な報酬はないボランティアです。

(故に副業禁止の職場の人もスタッフとして参加できる)

だからこそ、来場する人にはお客様ではなく、「参加者として一緒にイベントを作っていこうという意識」が求められるし、古くから参加している者の間ではそういった意識がある程度共有されているわけです。

・・・とまあ、最低限でもこれ位は説明しないと、言われた側は何がなにやらさっぱりで、「なにその主催側に一方的に都合のいい言葉は?」となってしまいます。

(実際は必ずしも主催側にだけ都合が良いわけでもなく、参加者全体にメリットのある話なのですが。あと著作権問題の関連で言われているという説がありますが、それは大元の理由ではないと思われるので今回は触れていません。)

まあこの説明をしても納得しない人はしませんし、

細かく説明できない時もあることは承知してますので、出来ればそうした方がいいよというお話です。

ついでなので、

以下は上の事情説明をする上で知っておいた方がよいお話を。

今でこそ運営に「有限会社コミケット」が関わっていますが、最初にアマチュアのボランティア団体である準備会があり、そこから必要に迫られて作られた会社であり、会社がボランティアを募って準備会を立ち上げたわけでは有りません。

本当にアマチュア主体で始まっているわけですね。

「優先封筒やチケット・弁当が支給されるのだからスタッフが無償だなんて嘘だ」

と言う人がいるのですが、『労働内容に見合うだけの報酬』が『全員に』与えられているかというと、そうはなっていないと思われます。

中にはそれらが目当てでやっている人間もいるでしょうけれど、そんな人ばかりではないですし、ぶっちゃけ業務の大変さに比して割りにあわない場合が多いと思われます。

コミケスタッフはコミケ当日のみコミケの仕事をしているわけでは有りません。

新人でも拡大集会をはじめ事前に何度も打ち合わせがありますし、責任ある役職に付いた人はプライベートの時間を削って、集会での資料作成、日頃からの細かな情報伝達など、様々な事前準備の作業を行っています。

それらに対する個別の報酬は基本的にありません。

(あっても先輩が自腹でおごってくれるとか、そんな程度)

また優先封筒やチケットを「使わない」人も結構いますし、スタッフの全員がそういった報酬目当てで動いているなんて事はないのです。

といいますか、報酬目当てだけでモチベーションを持続するのが難しく、スタッフ業務そのものに何らかの魅力を感じていないと、続けていくのが難しいと思われます。

この辺は個人差も激しく、価値観の差や感情的な問題なので、いくら説明しても理解してもらえない人には鼻で笑われてしまうでしょうが。

でもそういった実例を直接目にして知っている人たちは、サークル・一般の中にも結構いて、自然とスタッフ(準備会)に対して協力的になるわけです。

逆にトンデモスタッフの被害にあった人は、アンチスタッフになってしまうわけですけども(汗)

この辺は別のややこしい話になってしまうので今回は見送りますが。

ともあれ、私の知る限り、「スタッフは業務内容に見合った報酬を受け取っているとは思えない」状態ではあるのです。

・・・そもそも「ボランティアは完全無償で行うもの」というのは誤解だったりもしますが、これまた長くなるので割愛。

興味のある方は各自調べてみてください。

執筆: この記事は太田たこすさんのブログ『今日の言わせれ』からご寄稿いただきました。

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