2012年12月16日に行われた第46回衆議院選挙にて、与党である民主党は改選前の230議席から57議席へと激減。294議席を獲得した自民党に政権を明け渡すことになりました。野田佳彦内閣の中でも藤村修官房長官、田中真紀子文部科学相ら8人の閣僚が落選するなど、厳しい結果となったことをどう受け止めているのか、政権・党の中枢を担ったキーマンの会見の様子をお届けします。
まずは岡田克也副総理。自身は三重3区の議席を堅持し8選を果たしましたが、選挙対策本部長代理として各地の応援に飛び回り、逆風を直に感じる立場。2012年12月18日15時に開かれた定例記者会見では、疲れた表情も見せながら「反省はいろいろある。我々のやってきたことを充分伝えられなかった」と述べ、淡々と選挙戦を振り返っていました。
中でも強調したのが、「与党としての自覚が充分ではなかった議員がいた」ということ。テレビ朝日の記者から「田中文科相から年内解散への恨み節があったが」と質問されると、「選挙は議員ひとりひとりの責任。総理が決断したのを理由にするのはおかしい。皆が執行部の責任にしていると党としての再生はない」と、田中文科相の発言を批判しました。
また、「我々のやってきたことを充分伝えられていない。テレビなどを見ると"何もやっていない"と一言で片づけられてしまっている」とPR不足があったとし、「個々の議員が説明するのをやりきれていなかった。(一体改革の)三党合意ができた時に一気に浸透したのは、自民党と公明党が支持者に必死になって説明したから。あのくらいの勢いでやればもっと楽だったと考えている」と悔やみました。
自民党が廃止を示唆している行政刷新会議の今後について日本経済新聞の記者から質問が飛ぶと、「引継ぎの協議はまだしていない。行革や一体改革に関しては資料を作っておきたい。また閣議の議事録も作っていく」と述べ、事業仕分けについては「オープンにしたのが最大の成果。議論していくことが重要」としながらも今後の党としての取り組みについては明言を避けました。
野田総理の辞任による代表選については、「菅直人元首相から"首班指名に誰を書いてもいいじゃないか、今後について議論を深めていけば"というようなことを言われた」と述べつつ「なかなかそうもいかないが」と否定。自身の去就や望ましいリーダー像などについては「ここで述べるのは適当ではない」「私のいうことではない」と繰り返しました。
党の今後に関しては、「マニフェストで書かれた方向性は引き継がれる。民主党は構造改革とヨーロッパでいう社会民主主義の2つの大きな路線がある。これをいかに融合させていくのかが課題」とし、「個人的には」と前置きして「子育ての政策やオープンガバメントについてより深めていきたいと思っている」と述べました。
選挙前に比べて声が小さく疲労の色が濃かった岡田副総理。質問をする記者もNHK・テレビ朝日・朝日新聞・読売新聞と『月刊FACTA』、そしてフリーランスが数名だけという淋しいものになり、事後処理モードの気の抜けた雰囲気が漂っていました。そんな中、敗因を執行部への責任にしようとする声に対して「自覚が足らない」ばっさり切り捨てた際の声音の強さが印象に残る会見でした。
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