今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
■橋下徹は慰安婦を肯定していないのか?
橋下徹はマスコミに自分の発言を捏造されたと主張している。しかし今回の件に限れば、マスコミによる誤解というのはないと思うのだよね。
橋下徹は「当時は慰安婦が必要だった」という自分の発言を「慰安婦は必要」という部分だけを強調して報道されたという。当時の状況を説明したのであって、自分(橋下徹)は慰安婦を肯定していない、と。
しかしアメリカ軍への風俗利用推奨を合わせれば、兵士の性のエネルギーの解消手段が必要と橋下徹が主張しているのは間違いない。
橋下徹の主張は、第二次大戦当時の日本軍は慰安婦を使ったからだめなのであって、現代の日本の風俗産業のようなもので性エネルギーを解消すべきだったということでOKなんですかね。
橋下徹は現代の日本の風俗産業を否定することは現在それに従事している女性を差別することになるともいう。なのになぜ慰安婦に謝罪する(つまり否定する)ことは彼女たちを差別することにならないのか、よくわからない。
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当時の慰安婦と現代の日本の(橋下徹がいう)合法な性風俗産業は、橋下徹の中では明確に違うものだということらしい。それをマスコミを含めた多くの人が同一視しているのが橋下徹のいう「誤解」ということになる。
しかしその違いはそれほど自明ではない。俺から見てもなんの説明もなしに「両者は本質的に違う」とは納得できない。
両者はなにが違うのだろうか。以前から上げられている争点は、強制の有無だ。まあこれはいいとして、他にはなにがあるのだろう。いわゆる「本番」の有無だろうか。あるいはソープランドのように「あくまで個人同士の合意の上』という建前の有無だろうか。
まあどこまで許すかという歯止めは必要だろうけれど、あまり本質ではないと思うのだよね。どれも結局は女性に対価を払って性的欲求を満たしていることには変わりないわけで。
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この点について橋下徹が多くの人が納得する説明ができてないのが、「橋下徹は性風俗を推奨している」=「橋下徹は慰安婦を肯定している」と受け取られている理由なわけで。
彼はあくまで日本の法律による合法性で両者を区別しようとしているようだが、日本国内でさえ合法・非合法の境界は常に変わってるわけで、国が違えばもっと違うだろう。たまたま現在の日本の法律がそうなっているからというのは、説得力に乏しい。
結局、曖昧な中でも比較的普遍的な基準として、日本は従来から強制の有無を争点にしてきたわけで、それなのに橋下徹は合法・非合法とか持ち出すから、こういうことになる。
あくまで現代の日本の法律による合法・非合法こそが絶対的基準なのだと、世界が納得するような説明をするか、アメリカ軍への風俗推奨を撤回するかしないと、この「誤解(?)」は解けないと思うけどね。あるいは慰安婦も含めて風俗を肯定するか。
ということで今回の件については、マスコミのせいではないと思う。橋下徹がいつものように思いつきで喋ってたら、だんだん辻褄が合わなくなって墓穴をほったようにしか見えない。「慰安婦には謝罪すべき」と「アメリカ軍は風俗を利用すべき」という2つの主張を同時に納得できる人は、俺を含めてそんなに多くないと思う。どっちかもしくは両方を否定しなければ。俺は前者を否定すべきだと思うけどね。後者を肯定するかはともかく。
執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年05月20日時点のものです。
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