今回は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。
■裁判は死んだ。だから正義も死んだ・・・郡山被曝疎開裁判(中部大学教授 武田邦彦)
AP通信によると、「日本の裁判所は同国の2011年核惨事による放射性降下物によって汚染された(郡山)市に市内の子どもたちの避難を求める申し立てを却下した。
この異例の訴訟は、2011年6月、福島の子どもたちのために、両親らと反核アクティビストらが提起したもの。水曜日(2013年4月24日)、仙台高等裁判所はその決定を下した。
この訴訟は、継続的な低線量放射線被曝が健康におよぼす影響、とりわけ成人よりもずっと傷つきやすい子どもたちの場合の影響に触れるものなので、国際的な注目を惹きつけた。
訴訟は、郡山市は小中学校に通う子どもたちを避難させる義務があり、これは日本の法令に定める義務教育の一環であると主張した。
裁判所は、市内の放射線量が災害以前に安全とされていたレベルを超えていると認定した。だが、政府は申し立てにある学校疎開の責任を負うものでないという――つまり、心配するなら、自己責任で去ればよいと人に諭したのである。
やや難しい内容だけれど、簡単に言うと、
1) 法令を超える被曝を受けている小中学生を自治体は避難させる義務があるという申し立てに対して、
2) 裁判所は「法令を超える被曝である」と認定し、
3) それでも政府が良いと言っているのだから、学校は疎開の必要はないと判決した。
ということだ。驚くことではない。日本の裁判は常に「政府と同じ」で「三権分立」などは夢物語だからだ。
裁判官は出世だけを考えていて、正義などはずっと昔に捨てている。
それは最高裁判所事務総局の存在でもあり、国民の意識の問題でもあり、法曹一元(弁護士を裁判官に登用しない)という日本の特殊性にもよる。
野蛮な国家だが、その先兵が裁判官というのが辛い。庶民は「力」で自由と権利を獲得すべき時だ!
執筆: この記事は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年05月15日時点のものです。
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