15日夜、大阪府高槻市の路上で男が帰宅途中の女性が履いていたパンプスを奪う事件が起きた。男は女性の後ろから近づき両足首をつかんで転倒させ、女性が履いていたパンプスを両足とも奪い走って逃げた。女性は軽傷を負った。
高槻市ではおととしから同様の“パンプス強盗”が相次いで発生していて、今回が10件目。いずれの事件でも犯人は身長165センチくらいの中肉から痩せ型といった特徴があげられており、警察は同一犯とみて捜査を続けている。そして何より同一犯と思われる最大の根拠は、この“パンプス強盗”の“趣味”であろう。被害者の年齢こそ10代から40代と幅広く、特にこれといった共通項はないのだが、それ以外はどれも同じような、かなり独特な犯行なのである。
まず財布などが奪われたり女性が乱暴されたりといったケースはない。つまり金や体が目当てではない。ただ女性の足にしがみつき、押し倒し、そして靴を奪う。狙いは靴だけのようだ。そしてどうやらこの犯人、“脱ぎたてほやほや”が良いらしい。夜間に一人で歩いている女性の、まさに今履いている靴を狙う。夏場はパンプスやハイヒール、冬場はブーツが狙われているという。左右どちらかは決まっておらず、今回のように両足とも奪われたケースもある。
女性の靴がたまらなく好きなのだったら、自分で買って(恥ずかしいのなら通販だってある)思う存分愛でることも可能である。使用感が欲しいのなら(もちろん犯罪ではあるが)どこかに脱いである靴を盗む方がよっぽど簡単そうである。なのにわざわざ“今現在女性が履いている靴”を奪うという行為にこだわる犯人。地元住民に話を聞くと、もちろんこの“パンプス強盗”は有名で、地域のゴミ拾いなどでパンプスが見つかると「ひょっとして犯人が捨てたんじゃ?」などと話題になっているという。また「こんなマニアックな事件で地元がニュースになるのはちょっと恥ずかしい」との話もあった。
たしかに、常人には少し理解しがたい趣味と行動…いわゆる“靴フェチ”の一種なのだろうが、女性を力ずくで押し倒して無理矢理靴を奪う行為はもちろん決して許されるものではなく、被害者はさぞかし恐怖と憤りを感じたことであろう。防犯カメラのない住宅街での犯行で、犯人の手がかりはあまり多くないようだが、早いところ捕まってほしいものである。
画像は「足成」より引用
http://www.ashinari.com/2012/07/18-365550.php
※この記事はガジェ通ウェブライターの「ムラカミ」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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