●M3って何だろう?
M3とはMusic+Media-Mix Marketの略。年に二回実施されているメディアミックス同人即売会のことだ。カタログやホームページの概要にはこうある。
音系オンリー即売会があったらいいのになぁ、と思ったことはありませんか? 実は私たちも思いました。
「ないなら作っちゃえ」というわけで、賛同してくださる方を募って、M3準備会を発足することにしました。
現在M3は、音系・映像・マルチメディアを中心とした専門即売会を開催し、送り手と受け手のより密接な出会いの場を作ることを目標に活動しています。
「音系」とは何だろうか?
音でなにかを表現しようとする全てのサークルを総称するジャンル名。
その中には、コミックスと同じように、創作、カバー、パロディ、ドラマ、ゲームなどのあらゆるジャンルがあり、手法としては楽器や歌の生演奏のほか、MIDI・コラージュなど、メディアもカセットテープ・DAT・MD・CD・DVD・FDなどなど、あらゆるものを包括します。
アマチュアが音源を販売するというと、バンドを組んでライブハウスでライブを行い、その前後に会場で販売するのが一般的だ。一方、「音系」はそうした流れとは全く異なる創作物として独自の音楽文化を形成してきたもの。コミックマーケットといった同人誌即売会で頒布されるのが主だった。だが、M3はそうした総合ジャンルの催しから飛び出して「音系」だけに特化した即売会だ。具体的には、ラジオドラマを想起させるボイスドラマや、オリジナルボーカルのアルバム、サウンドエフェクト、民謡音楽、クラブ系のトランスミュージックなども含まれる。その裾野は広いが、わかりやすい例はボーカロイドによる楽曲だろう。ストーリー性が高く、作りこまれた世界観のある作品が多いのが特徴だ。
●M3の精神
「音楽のフリーマーケット」かと問われれば、それもまた少し違う。
M3即売会では、ここに集う全員は同じ「仲間」だという気持ちを込めて、全員をまとめて「参加者」と呼んでいます。つまり
・サークル参加者(=発表者)
・一般参加者 (=来場者)
・スタッフ参加者(=運営スタッフ)
というように。
このように「お客様」という項目に属する人はいない。単にお金と物品をやりとりする売買のための場ではない。フリーマーケットなら「売り手」と「買い手」がいる。だが、即売会は古くなった既製品をやりとりするフリマとは全く性質が異なるものだ。こうした即売会では作品を販売するとは言わず「頒布」すると呼ぶ。誰にでも「このイベントに向けて作品を創り出していく」精神が根付いている。
しかし、ここ近年では、こうした即売会において、お客様感覚の来訪者が増えている。基本的なマナーが守られないことも多い。スタッフは基本的にボランティアであり無報酬。これはコミックマーケットなどの同人誌即売会でも同じことだ。興味が沸いたので参加したいという人は、必ず、ホームページや前売りのカタログで確認できる注意事項をしっかり読んだ上で参加しよう。
●M3の特徴
特徴は【CD試聴コーナー】と【映像上映コーナー】にあるだろう。
【試聴コーナー】では、各サークルのCDを自由に視聴できる。ただし、私物であるCDプレーヤーの持参が必須だ。もちろん、会場にはレンタルのプレイヤーも用意されている。だが、待機列で60分ほど待たされることもある。どうせなら列での待機時間は省略して、各サークルとの交流を楽しみたいものだ。
【映像上映コーナー】では、各サークル作品が大画面モニター等で上映される。M3-2010秋からは映像作品視聴用のPCシステム【サブ上映システム】が導入された。ここでは、自分が見たい作品を選んで個人で視聴できる。今回のM3-2013春では、CD視聴コーナー横に設置される。落選作品も含め好みの作品を個人で鑑賞可能なので、是非利用したいところだ。
【企業スペース】では、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社などの企業によるスペースが設けられている。M3-2011秋から導入されたスペースで、企業スペースに限りカタログなしでも入場可能だ。
どのコーナーも作品選びのために参考になる。だが、メインは、あくまでも作り手と交流できるサークルスペースだ。サークルスペースには二種類ある。自由度の高い設営とパフォーマンスができる「フリースペース」。そして、作品の展示・頒布を主な目的とする「レギュラースペース」だ。どちらからまわるかは気分次第だが、特にお目当てのサークルが決まっていない場合は、目と耳で判断できるフリースペースからまわるのがいいかもしれない。
サークル参加者は、一般参加者と同じくアマチュアの方が大半だ。限られたコストのなかで、それぞれのこだわりを持って、愛と熱意を込めて作品を作り、この日に備えて万全の体調で挑む。当日の設営にも最大限の工夫を凝らす。そして何よりも楽しく参加したいと思っている人たちばかりだ。あくまでも交流や作品の頒布を目的とした集まり。それさえ忘れず、マナーを守って参加すれば、通勤通学のお供にしたいような素敵な作品や、素晴らしい作り手と出会えるだろう。
M3 http://www.m3net.jp/index.html
※この記事はガジェ通ウェブライターの「小雨」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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