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経済の教室(基礎編2) 「実体経済」とはなにか?(中部大学教授 武田邦彦)

2013/04/10 20:04 投稿

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経済の教室(基礎編2) 「実体経済」とはなにか?(中部大学教授 武田邦彦)

今回は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。

■経済の教室(基礎編2) 「実体経済」とはなにか?(中部大学教授 武田邦彦)
日銀がお札を刷る(マニタリーベースを上げる)ことを決めた。そんなことは平成5年からの5年でもやっていると言う人もいるけれど、その時は1年10兆円ずつ5年で50兆円だったけれど、今度は時期はハッキリしていないがほぼ1,2年で135兆円だから桁が違う。

しかし、批判的な人もいる。日銀がお金を刷っても、それが株や土地(普通に生活に使うものではないもの)にだけ向かうと、単に株や土地の値段が上がるだけで、何も残らない。つまりバブルのようなものだ。

もし、日銀のお金で企業が「商品を増産し」、それを日本人が「購入すれば」、そこで「実体経済」が拡大するからデフレを抜け出して、日本は再び成長路線に入り、雇用はよくなり、給料は増えるというわけだ。

では、みんなが言いにくい「実体経済」とはなにか、それは「浪費する」ということにほかならない。もう少し良い表現を使うと「人生をエンジョイする」ということだ。

お金を使っても人生がエンジョイできるかどうかわからないし、エンジョイしても意味が無いかも知れない。一人でゆっくりと図書館で本を読んでもお金はいらない。でも日本人全員がそうでもない。やはりお金を使ってパッと生活した方が楽しいという人が過半数はいる。

これまで「実体経済」を悪くし、日本人の多くが「人生を失う」ことを国が進めてきた。マスコミの自虐性はどこから来るのかわからないが、マスコミの人は自分は結構、遊び人の人が多いのに、テレビや新聞ではやたらと仙人みたいな生活を要求してきた。

やれ、「もったいない」、「分別」、「温暖化」・・・・みんな「ウソ」なのだが、「霞を食べて生きる仙人」に近づくことはできる。その結果、デフレになって給料は減り、日本は国力を失って尖閣を狙われ、社会は暗くなって夢を失ってきた。それは当然でもある。

せっかく日銀が「人生を楽しんでください」と言ったのだから、それに素直に乗って「贅沢」をしよう。そのための資源も、電気も、エネルギーもすべては無限なほどあり、日本には技術も真面目な社会も勤勉な国民も揃っている。なにも不安になることは無い。

メディアが「実体経済」とは「贅沢をすることである。石油もあるし温暖化はウソだ。これまでの発言を懺悔するから、この際、みんなで楽しくやろう!」といえば、日銀の決定を日本社会は活かすことができる。でも、果たして「ゴミがあふれる」、「資源が無い」、「温暖化する」とすっかり洗脳された日本人が「人生を楽しもう」ということになるかどうか、そこが景気回復の鍵でもあるし、専門家が「実体経済」と曖昧にしないで、「消費を盛んにして楽しみ、未来に明るい夢を持つことです」と言う勇気があるかどうかで決まる。

これからの若い人のためには、ご年配の人が自らの人生訓を見直し、日本が国力を高めるには、若い人が夢を持つには・・・を素直に考える事ができるかも問題だろう。

執筆: この記事は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年04月09日時点のものです。

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