今回は松田公太さんのブログからご寄稿いただきました。
■東京都議選の補欠選挙と、みんなと維新のこと
11月20日に行う予定だった、都庁での記者会見。
東京ブロック長の私の元に、各新聞社から「なぜドタキャンになったのか?」の問い合わせが続いていますので、経緯を説明させて頂ければと思います。
ことの発端は石原慎太郎さんが渡辺代表に「一緒にやりたい」とアプローチしてきたこと(解散前で、太陽が解凍して維新に合流する前)です。
渡辺代表が「とつぜん結婚を迫られても難しい。結婚の前にはお付き合いをするように、都知事選と都議会議員選(補欠選挙)を一緒にやってみましょうか」と提案したのです。
それは大変良い考えでした。
石原さんもすぐ合意し、猪瀬さんは既に後継者として指名していたので、みんなの党が3名(葛飾、世田谷、八王子)の都議候補者を出そうという事になりました。
正式に「候補者を統一候補として、無所属、共同推薦の候補者として擁立する」という協定書も結びました(勿論、渡辺・石原の手書き署名入りで)。
そして、その3名が決まり、石原さんも合意し、いよいよ記者会見をしようとセッティングされたのが11月20日だったのです。
ところが、その19日の夜に「記者会見は流してくれ」と渡辺代表の元に維新サイドから連絡がありました。
(私はそれをTV局入りする直前に聞かされて、驚き、その出演の番組でも維新に対して厳しい注文をつけることとなりました)
理由は未だに説明されていません。
維新(石原・橋下の双頭)には、自分たちの戦術があるのでしょう。大きな目的(衆議院選の勝利)の為には、都議選は小さなことだと思っているのかもしれません。しかし、そこには3名の血の通った人間がいて、出馬するという大きな決断をし、反対する家族や後援会を説得し、借金もし、明日の記者会見に備えて準備を整えていた候補者が確かに存在するのです。
少なくともなぜキャンセルをしたのか説明をし、協定書を破るなら一言詫びるのが筋ではないでしょうか?
今の維新のやり方には正直言って違和感を覚えます。
既に18選挙区でみんなの党に対抗馬を立てながら「一緒にやりましょうと渡辺代表に電話した」「最後はじゃんけんで決めれば良い」(本日のTVでの発言)というのは、喉元にナイフを突きつけながら譲歩を引き出そうとする橋下交渉術なのでしょうが、その裏には「話がまとまれば、その重複候補者のどちらかを切り捨てましょう」という意味があります。「外された候補者は他の空白区に行けばよい」と簡単に思うのかもしれませんが、選挙はそんなに甘いものではありません。それで落選したら、それまで必死にやってきた候補者は泣くに泣けないでしょう。しかも「どこでも、なんでも、国会議員になれればいいよ」という○○チルドレンを増やすやり方は、過去の過ちを繰り返すようなもの。結局、発想的には自民・民主と変わらないという事になります。
また、「交渉が決裂しても、比例区で維新票の積み重ねになるから、どっちに転んでもいい」と思っているのが明白ですが、それでは候補者をただの駒にしか見ていないということになります。維新の候補者は所詮、流れにのった「タナボタ当選狙い」だから「どっちもどっちじゃないか」と思う人も多いかもしれませんが、同じ政策を掲げるみんなの党の候補者と票を食い合って、共倒れになる選挙区が増えるのが目に見えています。つまり、候補者に対しては愛が無く、政策に対しても信念が無いという事になるのです。
私は別に、みんなの党と維新の会が喧嘩するべきだと言っているわけではありません。この切羽詰まったタイミングでは無理に合流をしないで、喧嘩をせずに選挙を戦い、お互いが議席を確保した後で様々な可能性を国会で話し合うのがベストだと思っています。元々は非常に近い政策を持っている政党ですし、本当に戦わなくてはいけないのは既得権益にまみれた既成政党たちなのですから。
それを実現するためには、維新の会は、みんなの党が出していない空白区(例えば東京ブロックでは14区もあります)に候補者をシフトするべきでしょう。
こんなに厳しい選挙情勢の中でも、組織や金がある既成政党や、勢いのある維新に行かず、みんなの党で出馬してくれる仲間は、本当に信念を持った政治家だと思います。私は、どんな状況になろうとも、その仲間たちと最後まで必死に戦っていきます。
執筆: この記事は松田公太さんのブログからご寄稿いただきました。
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