待機する英雄とつまはじき ~本当の英雄はルフィではなくウソップの中にいるよ~

今回はうさみのりやさんのブログ『うさみのりやのブログGT~三十路の元官僚、目指せ起業家の巻~』からご寄稿いただきました。

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■待機する英雄とつまはじき ~本当の英雄はルフィではなくウソップの中にいるよ~
フィリップ・ジンバルドっていう心理学者がいます。
スタンフォード監獄実験*1っていう実験をした事で有名な人です。

*1:「スタンフォード監獄実験」 『wikipedia』
http://ja.wikipedia.org/wiki/スタンフォード監獄実験

いわゆる「健全な学生」を囚人役と看守役に分けて擬似的に監獄を創り出すロールプレイングをしていたら、6日もたつうちに暴力や虐待が起き始めて、慌てて中止した、という実験です。

彼が「普通の人がどうやって怪物や英雄に変貌するか」*2というテーマでTEDで講演をしていますが、これが出色の内容です。

*2:「フィリップ・ジンバルド:普通の人が どうやって怪物や英雄に変貌するか」 『TED』
http://www.ted.com/talks/lang/ja/philip_zimbardo_on_the_psychology_of_evil.html

待機する英雄とつまはじき ~本当の英雄はルフィではなくウソップの中にいるよ~

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詳細は是非見ていただければと思うのですが、彼が言っている事は

「組織がシステムとして、匿名性、没個性化を推進し、個人の責任を曖昧にして権限への服従を求めれば、人間は怠慢や無関心によって容易に”悪”を受け入れ暴力や虐待に走る」

ということです。私なりの理解で言えば「ナチスやオウムはシステムとして異常だったが、ナチス支持者やオウム信者が必ずしも特別な人だったわけではない」といったところでしょうか。

コレじゃ救いようが無いのですが、彼は併せてこんなことを言っています。

「異常なシステムの暴走というのは一人の英雄によって止められる」

みながシステムに盲目的に従属して異常なことを行う状況というのは、決して非日常ではなく、日常的にある事です。

学校でのいじめ・教師による暴行、柔道のパワハラ問題、オリンパスの会計操作、薬害肝炎隠蔽問題、、

これらはシステムの暴走の例です。

こういうシステムが暴走した時にそれを止められるのは外部の力だけです。

ただそれには「今おかしなことが起きている!」と告発する内部の英雄的個人が必要です。

そしてその英雄というのは、ほとんどの場合、特別な資質や能力も無いごく普通の人間です。ただ正義感にかられて立ち上がるのみです。そしてシステムに逆らった彼は間違いなく干される事になります。その人の人生には何の得もないかもしれません。

イラクのアブグレイブ収容所での虐待を告発したのはジョー・ダービーというごく普通の一兵士でした。彼は軍隊関係者の復習を恐れ3年間隠れる必要がありました。

尖閣問題を世に知らしめたのは一色正春さんというごく普通の海上保安庁職員でした。彼は政府の圧力よって追放されたと行っても過言ではないでしょう。

彼らはごく普通の人間です。

彼らが唯一他の人と違ったのは、「いつでもおかしいことがあったら立ち上がる」という心の準備ができていた「待機する英雄」であったという点においてです。そしてそれが故に組織からつまはじきにあった。

今日たまたまワンピースって漫画を読んでました。漸く副題につながるのですが、

今本当に求められている英雄は、超人的な能力を持つルフィ一人なのか、それよりもごく普通の人間なのに村の危機のためにつまはじきにあってでも立ち上がったウソップ100人なんじゃないのか、、、

そんな事を考えていました。

ではでは今日のところはこんなとこで。

待機する英雄とつまはじき ~本当の英雄はルフィではなくウソップの中にいるよ~

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