10月初頭にに大手アウトドアメーカーのモンベルからちょっと変わったキャンプストーブ『BioLite Campstove』が発売された。このキャンプストーブはなんと火力により、自力で発電し、燃焼効率を高めるためにファンを電気で回転させるという代物。元々は電気やガスが無い地域の調理器具として使えるように設計されており、火力はファンによって抜群に高く、安定するらしい。概要によると燃料も小枝や端材等でいいと書いてあり、逆に木炭や燃焼促進物は入れないほうがいいと書いてある。火力が強くなりすぎることを懸念する為だと思われる。そして、このキャンプストーブにはもう一つすごい機能がついており、ファンに使用する電力より余剰な電力を内臓電池に充電し、USB経由で他の機器に給電できるというのだ。しかし、よくよく概要説明を見てみると、これはオマケ機能でそれよりも安定してたき火や調理ができることのほうに注目してほしいとのこと。
では実際の現物を見てみよう。想像していたものよりはるかに小さく、500mlペットボトルくらいのサイズだった。パーツは二つに分かれており、発電機とファンが搭載されているパワーモジュールと、燃焼室の二つ。脱着も簡単で、はめ込み式になっている。
パッと見、ファンが何処に搭載されているのかわかりづらいが、裏面の穴の開いた部分から風が送り込まれ、燃焼室に送風される。
燃焼室には多数の空気口があいており、下から上へ渦を巻いて通風する構造になっているようだ。
そして電気が発電する部分はこの棒がカギとなっているみたい。この棒を熱することによって、温度差を電気に変換する『熱発電モジュール』が働き、電動ファンと内部の充電池へと供給される。 こんなハイテクキャンプストーブの火の動き、火力に筆者はワクワクしつつ、早速試してみることにした。
都内某所の川沿い。夜景がきれいで、人もおらず、ここで試してみることにした。
まずはたき木を見つけることに。川の付近には必ずといっていいほど、干からびた木が落ちているので、それを使う。
着火材は使用せず、今回はタバコの空き箱を用いることにした。火をたき付けるまでは往来どおり、軽く火のつきやすい木を上に散りばめて、乾草をまぶすといい。
メラメラと勢い良く燃え始め、火が安定しそうになったらファンのスイッチオン!
ハンディクリーナーのようなウィィィィンといった送風する音をあげながら火力は勢いを増していく。燃料を多少多く入れすぎた気もしなくはないが、燃える勢いがすごい。やはり渦を巻いて燃えており、天高く炎がそびえる。しかし、勢いが強いのは最初のほうだけだった。燃える力が強いのか小さい枝ばかり入れていたせいなのか、燃える物が無くなり、すぐに炎は縮小方向へ。急ぎ、太い木を追加し、火力調整をはかっていくが中々難しい。ファンによる強火力により、足しては急に燃え、沈下、足しては急に燃え沈下と忙しい、ここらへんは経験で慣れていくしかないのかと思ってしまった。しかし鍋やフライパンで調理するなら野外ならこれくらいの強い火力は欲しいところである。
今回燃やすだけでは何かもったいないので、キャンプの定番焼きじゃがを作ってみることにした。調理方法は簡単で、アルミホイルに包んで放置するのみ。石油ストーブの上か、たき火でしかできない、超簡単お手軽料理である。ここからは常に一定以上の火力を出すので同時に『iphone』による充電も試してみた。
常に炎が発電する棒に触れるくらいの火力で30分程火の番をしてみる。寒空の中、「まだか、じゃがいもはまだか。」と空腹と切なさと炎の儚さ(はかなさ)の中、妙にハイテンションになりながら火の番をする筆者。
30分ほどたったろうか。芋も頃合よく焼けてき食べごろに! 充電していたiPhoneは約6%ほど電池残量が増えており、これで満タンにしたいというのはちょっと難しいかもしれないが、災害用として重宝しそうだ。
さて、焼きじゃがも順調に出来たようだ。遠赤外線効果か、芯までホクホクですごく旨い。火が通りにくい芋もこの通り安定した火力で焼くことができた。結論として、調理用、屋外用コンロとしては物凄く使いやすい。ただ、長時間燃やすには囲炉裏をつつく火箸のような物がないと、薪をくべる際に、火が安定しにくいのではないかと感じたが、そんな些細(ささい)なデメリットよりも、難しいたき火が安定してできるというのは、サバイバルやキャンプ、時には緊急事態に物凄く重宝する一品になるのは間違いは無い。
BioLiteキャンプストーブ
http://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1824221[リンク]
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