女性の監督やスタッフの雇用を強く求めたり、映画スクリーンの中におけるより良い女性キャラクターの表現を探すことにいたるまで、ジェシカ・チャステインは、ハリウッドにおけるジェンダーの平等についての率直な唱道者となってきた。映画『ゼロ・ダーク・サーティ』、映画『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』でアカデミー賞にノミネートされた経験を持つチャスティンは、本紙ヴァラエティによるインタビューで、いかにして自身の報酬を相手役の俳優と同じレベルになるよう契約交渉したのかを率直に明かした。
このインタビューは、2017年の4月18日発売号のヴァラエティに最初に掲載された。
ジェシカ・チャステイン:私はもはや、自分が共演俳優の4分の1の報酬支払いしか受けないような仕事をしていません。人生において、私はそんなことを許さないのです。
エイミー・パスカルが、米ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントのハッキング騒動の後にどこかで行った講演を見たのを覚えています。パスカルは、女性が男性と平等に賃金を払われない理由の一部は、より多くを求めないからで、女優はそれほど寛大であることをやめるべきだと語っていました。私は衝撃を受けました。最初はとても頭にきたのですが、「彼女は何かに言及しているのだ」と思いました。女性は前に進み、自分たちの仕事に適正に見合ったものを要求するべきです。
大手事務所は俳優の報酬額を把握しているので、それを測るための尺度があります。ですから、女優たちが交渉している時に、彼女たちは勇気づけられるべきです。彼女たちは前に進み出て「今は2017年です。こんなことはもうやめましょう」と言うことができます。
私は今、映画に出演する際に常に報酬の平等性を尋ねます。俳優と比べて、彼らが私に何を提示しているのかを聞くのです。私は仕事に見合う以上に報酬が支払われる業界にいるので、いくら払われるかは気にしません。しかし、ほかの誰かと同じことをしているのに彼らが私の5倍も賃金を払われる現場には立ちたくないのです。
過去に私はこんなことをしました。ひどいことですが、ある1本の映画が私のもとに出演依頼とともに届きました。彼らは私に、男性キャストが決まるまでは契約を結ぶことを望みませんでした。彼らは、たとえ私に最初に会ったとしても、残されたものの様子を見守ろうとしたのです。ですから私は、そういったことをするのを止めたのです。今もし誰かがオファーを持ってやってきたものの私に待って欲しいのなら、私は「じゃあ、さようなら」と答えるでしょう。もし出演させたいなら、最恵国約款を示しなさいということです。残されているものから私の価値を決めるなということです。
最近に断った仕事にはとても大きなものがありました。私にとってはお金の問題ではありませんでした。時代遅れな報酬のギャップこそが問題だったのです。私は断り、彼らは戻ってきませんでした。私はその後、「私は何をしたの?間違いだったのかも」と思いましたが、スタジオ・システムの中にいる全員が私が行ったことを聞いたのですから、間違いではなかったのです。私がしていることは、彼らの中に1つの評判を作ることなのです。俳優と比べて平等に報酬が支払われない作品にはジェシカをキャスティングするな、という評判ですね。その映画に出演する機会は失いましたが、私は1つの境界を作りました。私は砂に1本の線を引いたのです。
「ノー(NO)」の力は、人々に自分をどう扱うかを学ばせていることを意味します。
このインタビューは、本紙ヴァラエティ「Power of Women: New York」からの引用である。