映画配給会社「アップリンク」が、自社配給の作品を配信権を所有しないNHKに流されたとして、事の顛末を書いたニュースリリースを配信した。
今回問題となった映画は、2017年2月3日(金)アップリンクのVODサービス「アップリンク・クラウド」にて配信中の『すべての政府は嘘をつく』。
『すべての政府は嘘をつく』
公益よりも私益に走り、権力の欺瞞を追及しない大手メディア。それに抗い、鋭い調査報道で真実を伝えるフリー・ジャーナリストたちが今、世界を変えようとしている。彼らに多大な影響を与えたのが、1920~80年代に活躍した米国人ジャーナリストのI.F.ストーンだった。I.F.ストーンは「すべての政府は嘘をつく」という信念のもと、組織に属さず、地道な調査によってベトナム戦争をめぐる嘘などを次々と暴いていった。本作はそんな彼の報道姿勢を受け継いだ、現代の独立系ジャーナリストたちの闘いを追ったドキュメンタリーである。(公式サイトより引用)
本作は「インターネット配信をすることで多くの人に映画を観てほしい」という想いから、業界初の試みであるインターネット先行配信を行ったもの。それを、NHKが「NHKオンデマンド」にて数日間放送してしまったことにアップリンクが異議申し立てした事で事態が明るみとなった。
現在、アップリンクとNHKでは示談が成立しているという事で、「NHKオンデマンド」には謝罪文が掲載されている。
NHKオンデマンドにおける番組の誤配信について(お詫び)
http://blog.nhk-ondemand.jp/ [リンク]
アップリンクからのニュースリリース全文は以下のとおり。
NHKによるアップリンク配給作品『すべての政府は嘘をつく』の独占配信権侵害について
アップリンクでは、フリージャーナリストと政府や大企業との闘いを描いたドキュメンタリー映画『すべての政府は嘘をつく』を、今までにない方法で公開しようと考えました。通常の映画は、劇場での公開後にDVD販売やインターネット配信が行われますが、本作はアップリンクが新しく始めたVODのプラットフォーム「アップリンク・クラウド」で最初に配信を行い、その後に劇場公開をすることにしました。その理由は、劇場公開は限られた人しか映画を観ることができませんが、インターネットでのVODならば、作品に興味がある人がいつでもどこからでも観られるからです。また、本作はトランプ政権発足直前に完成した映画であり、「ポスト・トゥルース」や「フェイク・ニュース」という新しい概念の言葉が使われる時代に、ジャーナリストの報道がいかに大事かを知ってもらうには、劇場公開よりインターネット配信が適していると思ったからです。
アップリンクが日本で取得した権利のうち、テレビ放映権をNHKに販売し、NHK-BS1で2月1日と2日に、『BS世界のドキュメンタリー』の枠で前編と後編に分けて放送され、2月3日にアップリンク・クラウドで独占配信を開始し、3月18日からアップリンク渋谷で劇場公開しています。
アップリンクでは、業界初の試みであるインターネット先行配信に際し、通常の劇場公開と同じように宣伝費も投じて、本作のプロモーションを行いました。
ただ、残念なことに配信権を所有しないNHKが、本作をテレビ放送後「NHKオンデマンド」で数日間にわたり配信しました。これは配信権侵害にあたります。
現在、アップリンクとNHKでは示談が成立しており、本日付けでNHKオンデマンドのホームページに謝罪文が掲示されました。これを受けて、以上ご報告いたします。
『すべての政府は嘘をつく』
http://www.uplink.co.jp/allgovernmentslie/
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