もうすっかり秋になり、映画を楽しむには絶好の季節になってきましたね。アウトロー気質な筆者は恋愛物や推理系の映画にはてんで弱く、洋画系の見ていてスカッとするアクション映画や、スラム街の片隅からはい上がる過程を描いた映画が大好き。ゲームも好きでよく遊ぶのですが、最近は映画を見てから、似たような世界観を持つゲームをプレイすることにハマっています。
中でもロックスター・ゲームスが作る数々のゲームはゲーム自体の面白さもさることながら、リアルな裏社会を描いた大人向けな脚本が多いため、映画の世界と非常にマッチします。ロックスターのゲームなら、映画を見るで1倍、ゲームを遊ぶで2倍、世界観に浸れるという妄想で3倍という、通常より3倍もお得な方法で楽しめるのでオススメ。
そこで、今回はこの楽しみ方を多くの人に知ってもらおうと、編集部でピックアップした相性抜群な3組のゲーム&映画を紹介させていただきます。是非セットで楽しんでみてください。
●『グランド・セフト・オートIV:コンプリート・エディション』&『スカーフェイス』
モンスタータイトルとして知られる『グランド・セフト・オート(GTA)』シーリズの第6作目。自由度の高いゲームとして有名で、これまで他のゲームでは踏み込めなかった差別的問題、暴力、裏社会、人種間抗争等、社会問題を物語の軸に置いています。映画『スカーフェイス』も同様に、移民問題から、裏社会をテーマにギャングの抗争を描いています。
どちらにも共通するのは、金もない。コネもない。生き方に不器用な男がアメリカにやってきた物語。裏切りやウソから始まり、誰を信じればいいのか分からない。そんな中守るものも一切なく自由に暴れ回り、殺し、薬の取引、あらゆる手段を使って「The World is Yours(世界はあなたのもの)」という願望をかなえていきます。しかし、どちらも因果応報か、何かを得るためには何かを犠牲にしなければいけません。『グランド・セフト・オートIV』の主人公ニコは、『スカーフェイス』の主人公トニー・モンタナのように多くの選択をしなければなりません。それがたとえ悲しい選択であっても......。
『グランド・セフト・オート』シリーズは、舞台となる広大な世界を自由に探索できるオープンワールド系のゲームとして歴史を築いています。ミッションをクリアして主人公としてストーリーを進めていくのもよいですが、ストーリー等を一切無視してミニゲームで遊んだり、ギャングの首領(ドン)を目指すことや、極悪犯罪者になって警察との逃走劇を繰り広げる遊び方も可能です。自分は主人公じゃなく脇役がいいなあと思う人は、あえて脇役としてゲーム世界で生きていくのはどうでしょうか。このゲームは見ているだけでも誰かが泥棒をしていたり、口げんかをしていたりするので、自分で何かを起こさなくても何かが常に起きています。その様子を観察するだけでも十分に世界観に浸れて面白いですよ。
どちらの作品も黒く、そしてバイオレンスな仕上がりであり、見る時間やプレイ時間も長い長い大作となっていて、寝不足になること間違いなしです。
●『レッド・デッド・リデンプション:コンプリート・エディション』&『フロム・ダスク・ティル・ドーン』
『レッド・デッド・リデンプション』は“西部劇版GTA”と呼ばれており、『GTA』と同様でオープンワールドで遊べるのが特徴。カウボーイよろしく馬に乗れたり、当時の乗り物である馬車や汽車に乗って、広大な西部の世界を自由に探検することができます。クリントイーストウッドが好きな人は、このまま西部劇の世界でプレイするのもいいかもしれませんが、筆者としては一風変わったゲームに変身するダウンロードコンテンツ(DLC)である、『アンデッド・ナイトメア』をオススメします。ちなみにシリーズ全てのDLCコンテンツを同梱した『コンプリート・エディション』が販売されており、興味がある方はこちらを買うと断然オトクです。
西部が舞台なのにゾンビが出てくるというDLCの設定が面白くて、ゲーム自体はシリアスなのにどこか変で思わず笑ってしまう作品です。少し難易度は高いですが慣れてくると爽快感抜群。ゾンビをロープアクションで縄にかけてみたり、カウンターショット等のアクションも多彩。
映画『フロム・ダスク・ティル・ドーン』のほうも思わず「そんなのアリかよ!」と叫びたくなってしまう内容。銀行強盗の逃走劇なのに後半になると、立ち寄った宿屋からなぜか吸血鬼が出てくる展開になり、本格スプラッターと化して、こちらも笑えてしまいます。
『アンデッド・ナイトメア』はそんな『フロム・ダスク・ティル・ドーン』のドタバタ感やオバカ加減もそっくりで、ゾンビに追われて追い詰められる所や、扉を開けたらゾンビが満載なんていうシーンも追体験できます。不思議な雰囲気が非常に似ており、両作品とも独特なリズムとテンポで、1歩先が読めない展開となっています。オチは両方とも面白いですよ(笑)。
●『マックス・ペイン3』&『シティ・オブ・ゴッド』
『マックス・ペイン3』は、上記に挙げた2作とは異なり、よりストーリ重視でシューティングゲーム色が濃く、自分がアクション映画の主人公となった気分でストーリーに没入できます。しかし、キレイなのは映像だけで、両作品ともストーリーはドス黒く、目を覆いたくなるような描写もあり、富裕層と貧困層をリアリスティックに描いた作品。実話を基に作られた映画『シティ・オブ・ゴッド』をモチーフにしてゲームが作られており、知られざるブラジルの裏の顔を見せてくれます。
『マックス・ペイン3』のストーリーは次のとおり。最愛の人をギャングに殺された壮絶なトラウマを背負い、酒と薬に溺れる日々を過ごすマックスは、悲しい過去と決別するいい機会だと、友人から持ちかけられた要人警護のボディーガードの契約を結び、ニューヨークからサンパウロへ移住する。ところが警護についた要人がギャングに狙われ、誘拐される。刻一刻と悪くなる状況をマックスはどう打開していくのか......。
●『マックス・ペイン3』を実際にプレイ
ここではロックスター・ゲームスの最新作で、来年以降に発売が予定されている『GTA』の最新作『グランド・セフト・オートV』と連動もあるということなので、『マックス・ペイン3』を詳しく紹介していきましょう。
ストーリーモードは実にテンポが良く、戦闘において飽きがこないように工夫されたスローモーションシステムが屈指の出来映え。ハードボイルドな男臭い雰囲気を常に演出し、より一層世界観に浸る事ができます。
今作も、銃撃戦では2種類のアビリティが使えます。ひとつは対複数戦のときに活路を見出すため、身を投げ出しダイブ撃ちする『シュートドッジ』という荒業。
もうひとつは、弾筋までもを見極められる『バレットタイム』。どちらも発動中は周囲の時間がスローモーションとなる映画的な演出で、緊迫した局面もこれらを使って打開することができます。
こちらはなんと、マルチプレイモードでも使用でき、使用したプレイヤーの周囲は強制的にスローモーションになってしまいます。このシステムをマルチプレイで採用したのは世界初の試み。ユーザー側の満足度も高いようで、マルチプレイは常時人があふれています。マルチプレイについても詳しく紹介していきましょう。
●マルチプレイでより深く世界観を味わう
警察チームとギャングチームに分かれて戦闘できるマルチプレイでは、プレイヤーのレベルごとに最適な対戦相手を組み合わせる機能を搭載。いわゆる“初心者狩り”が横行することも少ないのが魅力です。さらに『ギャング・ウォーズ』モードでは、プレイ結果に応じてストーリーとゲームタイプが変化していくというユニークなシステムが楽しめます。仲間と一緒にストーリーを進めていくこのモードは、ゲームの世界観をより深く味わうのにもオススメ。
マルチプレイを楽しむために重要な機能が、プレイヤーコミュニティの“クルー”です。クルーは「仲間」を意味しており、お互いに登録し合うことが可能。クルーに登録すると、ゲーム中で様々な恩恵が受けられます。クルーに登録してメンバーと一緒にミッションをクリアすれば“XP”が増加し、武器やアイテム、アバター等をいち早くアンロックすることができます。またクルーを登録していくと派閥ができ上がり、クルー抗争が勃発。自分のクルーが他のクルーとライバル関係になると、各戦闘に影響を与えマルチプレイがより濃い物へと変化していきます。
ちなみにこのクルー機能は、来年以降に発売が予定されている『グランド・セフトオートV』でも引き継いでプレイできることが公式サイトでアナウンスされました。しかも、Xbox360/PS3いずれかのゲーム機を使用していても、プラットフォームを超えて同じクルーとしてフレンド登録ができます。今のうちにオンライン登録してクルーとの友情を深め、『グランド・セフトオート・V』のマルチプレイでも抗争ができるように準備しておくのはアリだと思います。
まだまだ『グランド・セフトオートV』の詳しい情報は明らかにされていませんが、一部スクリーンショットが公開されており、ファンの期待は高まる一方。発売されれば映画&ゲームで3倍楽しめる有力なタイトルになることは間違いないでしょう。
※この記事で紹介したゲームは全てCERO Z指定です。対象年齢は18歳以上。
(C) Rockstar Games,Inc
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