大学の講義にノートパソコンやタブレットPCを持ち込む学生の姿が珍しいものではなくなった昨今。情報の管理がしやすいし、Wi-Fiでネットにつなげれば分からないことをその場で検索できるし、一見すると勉強が捗りそうに思えます。でも実はそうではないかもしれないという研究結果です。
ミシガン州立大学の研究によると、学内で授業中にネット接続している学生のインターネット利用状況を調べたところ、実に授業時間の3分の1以上が授業内容とは関係のないサイトの閲覧に費やされていることが分かりました。次に、それらの学生の試験の成績との関連を調べたところ、ネットを見ている時間が長い学生ほど、試験の成績が悪くなる傾向のあることが分かりました。逆に、『Wikipedia』などで純粋な学術的コンテンツにアクセスしていた場合でも、特に試験結果が良くなる傾向は見られなかったそうです。
他にも、ノートパソコンで授業内容をメモすることは、紙のノートに手書きでメモをとるよりも効率が落ちる点を指摘しなければなりません。私達は手書きでメモする時、必要な情報を取捨選択しながら書き込むため、資料についてより深く考えるようになります。ところがノートパソコンを使うと、黒板に書かれたこと、聞いたことをそのまま入力するだけになりがちです。さらに問題なのは、ネット閲覧している学生は周囲にも悪影響を及ぼしてしまう点。例えば、ネットで情報を検索中に面白そうな関連動画を見つけてついつい見入ってしまい、周囲の人もその画面に気を取られてしまったり――。
学生でなくとも、この研究結果には身に覚えがありすぎて納得する人が多いのではないでしょうか。紙のテキストと教科書よりもノートパソコンとネットの方が様々な情報にアクセスしやすいのですが、人間はパソコンのようには器用にマルチタスクができないため、ついつい脇道にそれていって面白動画に夢中になってしまうことってありますよね。技術がいくら進歩しても、小坊主が読経と写経のセットでお経を覚えていた時代から人間の本質は何も変わっていないのかもしれません。
画像とソース:『theconversation.com』より引用
http://theconversation.com/its-true-internet-surfing-during-class-is-not-so-good-for-grades-70901[リンク]
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