言うほど”爆食”もしなければ”放浪”もしていない『爆食放浪記』ですが、あえて言おう!
「ここからが本番やで!」(YELLOW談)
昔の仕事の延長線で福島県に出張で訪れた筆者は、それとなく郡山周辺の店を徘徊し、路地裏の名店を求めて彷徨ってみた次第で御座います。
なので、正直言うと仕事の合間に片手間で取材している感は否めず、行こうと思った店の半分も行けてないのですが、まあ一応は出来る範囲で頑張ったぞ感は出してみた次第です。
福島県ならラーメンを狙え!
いわゆる喜多方ラーメンと白河ラーメンに挟まれた感じの福島県には、美味しいラーメンを食べられる店が多くあります。ちなみに白河ラーメンとは福島県の白河市にある『とら食堂』が発祥でして、”縮れの強い手打ち麺”が売りのラーメンで御座います。
しかも田舎ですので昔から蕎麦やら饂飩を”手打ち”で作る店が多く、それらで培った製麺技術をラーメンに応用しているので、何気にそこら辺のショボい感じの食堂で出すラーメンが、自家製の手打ち麺で美味しかったりするからマニアには堪りません。
路地裏を掘る楽しみこそ食べ歩きの醍醐味である!
まあ、今の時代はネットで調べた店をまわるのが普通と言うか効率が良い訳ですが、やはり自分の足と感性で名店を探すのは基本中の基本です。
この日は仕事が早く終わったので、ここら辺のラーメン屋さんでは非常にイケていると噂の『手打中華特札堂』に行ってみました。
結果、こんな感じで御座います……。まあ、15時チョイ前に訪れたので、こうなる可能性は高いと思っていたのですが、非常に無念って言うか悲しみしかないのは否めません。
と、言う訳で駅に向かって歩いてみた次第です。歩いてみたと軽く言いますが、何気に郡山駅まで3キロ近くあるので笑えません。
しかし!
他にする事もないし、この燃え上がったラーメンへのパッション(情熱)を収める為には、やはり美味しいラーメンを食べる以外に方法はないので、ひたすら歩いてみた次第です。
すると、どうでしょう?
徐々に街並みがイイ感じに変わって来て、ちょいちょい古い建物の残る地域に突入して参りました。
かつては賑わったであろう『公衆浴場 旭湯』とか、マジにキテますね。
何故か周辺には”床屋”が多くあり、しかも古い店が少なくありません。『理容ムサシ』とかマジ、リスペクトです。
「頭を頭で刈る」とか謎過ぎるキャッチだし、その横にあるテクニック一覧が「アイパー、パンチ、コールド、ニグロ」とパーマのスペシャリストである事を、地味にアピールしているのも高ポイントです。
『半澤屋食堂』はすでに閉店している雰囲気ですが、フライパンなどが残っているのを見ると、もしかしたらって思ってしまいます。
この様な渋い店が点在するゾーンは、時としてミノフスキー粒子が濃く有視界戦闘を余儀なくされるパターンが多いですね。スマホのナビに頼っていると、うっかり店を見逃してしまったりするので油断は禁物です。
しかも!
何故かこの周辺に来てからGoogleマップが表示されない現象が発生し、完全に地図無しで知らない町を探索する羽目になりました……。
『お食事処 大番』だ……と?
と、言う訳で己の五感だけを頼りに町を彷徨います。すると『大番』と言う激シブな店を発見しました。この店はノーマークで筆者のGoogleマップにも登録していなかったのですが……これはイケてる予感です。
しかも、暖簾が下がっていて看板にも灯りが点いているので営業中である事は間違いなく、まさに神のイタズラ、もといGoogleの気まぐれが引き起こした奇跡に感謝する筆者です。
店内はこんな感じでして、この店の歴史が刻まれた空間は、まさに名店を予感させる雰囲気を醸し出しています。
もはやノスラー(ノスタルジックなラーメン的な何か)などと言う、軽い表現じゃ表せない『大番』のラーメンに胸の鼓動も高まります。
『にんにくみそラーメン』を所望する!
通常、初見の店であればベーシックなメニューから入るのがセオリーですが、そうそう福島県に来て路地裏を彷徨うチャンスはないので、初めからフラッグシップ狙いで攻めます。
「にんにくみそラーメンを所望する!」
若干、大盛り麺2玉1250円も惹かれるのですが、この後も連食するので普通盛り800円をチョイス、合わせて『ギョーザ』(500円)もオーダーします。
『にんにくみそラーメン』を食す!
はい、とりあえずこんな感じでどうでしょう?
福島県はクソ寒くてカメラもメッチャ冷えるので、レンズの曇り方もハンパない可能性は否めませんが、とりあえず美味しそうな写真が撮れてれば問題ないでしょうか?
野菜と挽肉を中華鍋で炒めている時に1回、スープを入れて煮込んでから麺を合わせ、丼に移す時にもう1回”刻みニンニク”を入れています。
このバブル全盛期の”ダブル浅野”を彷彿させる”ダブルニンニク”の破壊力は凄まじく、まさに『にんにくみそラーメン』と呼べるニンニクヂカラに脱帽で御座います。
しかも!
この『大番』の麺が物凄い平打ち麺でして、もはや”きしめん”をも凌駕する勢いの麺幅があります。
と、同時に手切りの為に麺の幅が均一ではないので、狙ったかどうかの真意は謎ですが、これまた食感の変化を生んでいて非常に美味しい麺に仕上がっています。
もしもコレが蕎麦だったら”女将を呼ぶべき案件”に発展する可能性は否めませんが、ラーメンならば許すし、むしろ個性としてリスペクトです。
餃子も旨いぞ!!
そして餃子の方も非常に美味しいと言っておきましょう。
まず、尋常ではないレベルの”ニラ感”と”ニンニク感”からのパンチが半端なく、「これぞ焼き餃子だ!」って感じの推しの強さと疾走感が素敵です。
昨今、マイルドな餃子が好まれる21世紀において、ここまで尖った味付けの骨太な餃子は貴重かと存じます。
ご馳走様でした!
『大番』 総評
まったくもって予備知識ゼロで飛び込んでみた『大番』ですが、やはり読み通りの名店でしたね。
ここら辺の面白さ、店を探すと言うか”路地裏を掘って鉱脈を当てる快感”こそ食べ歩きの醍醐味ではないでしょうか?
もしも筆者のGoogleマップが絶好調だった場合、この様な店に出会う事は出来なかった事を考えると、やはり最後は自分の直感とセンスがモノを言う世界だなと痛感した次第です。
ぶっちゃけ福島県の郡山とか初体験なので、この『大番』がどんだけの名店なのかすら知らない筆者ですが、恐らくこの『にんにくみそラーメン』こそ郡山市民のソウルフードなのではないかと感じました。
また、東北の人は無口なイメージですが『大番』のオカンは非常に人懐っこい感じでして、そこら辺も魅力なのかも知れませんね。
是非、みなさんも郡山に訪れた際には『大番』の美味しいラーメンと餃子を食べてみて下さい。
『大番』
住所:福島県郡山市中町18-6
営業時間 11:00~24:00
定休日:日曜日
―― 見たことのないものを見に行こう 『ガジェット通信』
(執筆者: YELLOW) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
コメント
コメントを書く