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日本メーカーの未来はこのままじゃ暗いかも ~研究者のシンポジウムの出張費くらい出せ!~

2013/02/14 16:31 投稿

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日本メーカーの未来はこのままじゃ暗いかも ~研究者のシンポジウムの出張費くらい出せ!~

今回はうさみのりやさんのブログ『うさみのりやのブログGT~三十路の元官僚の天下りしない生活~』からご寄稿いただきました。

※この記事は2013年01月31日に書かれたものです。

※すべての画像が表示されない場合は、http://getnews.jp/archives/288902をごらんください。

■日本メーカーの未来はこのままじゃ暗いかも ~研究者のシンポジウムの出張費くらい出せ!~
体調悪いので今日は短めに。

昨日はJEITA(電子情報技術産業協会)のメニーコアシンポジウムっていう会合に行ってきました。

「第2回メニーコアシンポジウム(2013/01/30)」 『JEITA 情報・産業社会システム部会』

http://home.jeita.or.jp/cgi-bin/page/detail.cgi?n=486&ca=1

「メニーコア」っていうのはコンピューティング分野の注目の新技術っていうくらいにご認識いただければと思います。このシンポジウムは何を隠そう僕が役人時代に担当していたプロジェクトの成果発表会も兼ねていて、色々な方から「うさみさんじゃないですか!!経済産業省から追い出されて野たれ死んだと思ってました!!」なんていう辛辣な挨拶をいただきました。。。ちゃんと元気に呼吸させていただいております(笑)

で、本題に戻るとそこで色々と日本を代表する研究者やメーカー(ベンチャーが多い!!)の方から技術的発表があった後に、最後に「日本の半導体業界どうなる」的なパネルディスカッションがあったのですが、これが結構印象に残りました。

大まかな流れとしては

 (1) 技術だけじゃ勝てない!

     ↓

 (2) そうだ応用が大事だ!

     ↓

 (3) じゃメニーコアはどういう分野で応用できるのか?

     ↓

 (4) えっと、、、それは、、、、

  会場の皆さんなにか意見は?

     ↓

 (5) シーーーーーーーーーーン

っていう感じです。

そりゃそうで、その会場には半導体・コンピューティング業界の人ばっかりが集まってるので、応用先の答えなんかで知りようもない訳です。実際に技術を商売に使う立場、つまり他業界で新しい製品を開発している人が会場に来ないと、そんなニーズわかりようもないですからね。そしてそれは別に技術者のせいじゃない。

じゃ誰のせいか、っていうとそれは日本の多くのメーカーにはびこる「うちの業界とは関係ない」という台詞に代表される、タコツボ病のせいなんですよ。

<たこつぼのイメージ>
日本メーカーの未来はこのままじゃ暗いかも ~研究者のシンポジウムの出張費くらい出せ!~
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://getnews.jp/img/archives/2152.jpg

それが顕著にわかるこんな質問がパネルディスカッション中にありました。

「すいません。大手ロボットメーカーの開発者なんですけど、メニーコア技術に何となく興味・可能性を感じてこのシンポジウムに参加しました。でも会社は『なんでロボットメーカーが半導体のシンポジウム行くんだ』って言って出張費も出してくれませんでした。
それでもどうしても話を聞きたいので今回は自費で参加しましたけど、次回はさすが社費で来なければつらいので、メニーコア技術とロボットの未来の関係に何か示唆を頂けませんか?(会場笑)」

・・・なんて健気な技術者(涙)

そしてなんてケツの穴が小さい会社。。。。

新しい物を生み出す研究者にとって異分野からどんどん知識をとるっていうのが大事なのは言うまでもないはずなのに、それを「うちの業務とは関係ない」と言い切って出張費を渋るなんて・・・ ましてやJEITAっていう名のある団体がやっているシンポジウムなのに・・・

本当に革新的な技術っていうのはたいがい、予想もしないところに実用先があらわれので、異分野の研究者が自然と交流できる環境っていうのがとても大切なのは言うまでもありません。

例えばリチウムイオン電池だって始めは車向けと言われていたのに家電から入りましたし、レーシック手術のコア技術は半導体加工技術だったりするわけです。

そういうコラボレーションを実現するにはある程度捨て金も必要な訳ですが、それを「うちの業界とは関係ない」と言い切って出張費を渋るような管理部門が横行しているんですね。いや~なさけなや。

ましてやメニーコアって言う技術は画像処理に優れていて、ロボット技術とは比較的近い関係にあるのに。。。

こういう話は本当に良く聞く話で、こんなんじゃ日本メーカーから画期的なイノベーションがしばらく生まれないかもしれません。

一方で、台湾や韓国のメーカーはめっちゃ日本の技術の活用に積極的で、私みたいな場末の元官僚ブロガーのところにすら政府研究所の方がヒアリングに来たりするわけです。
そりゃ日本メーカー勝てるはずありませんよ。

ということで今日のまとめ


(1) 異分野の連携はこの時代イノベーションに不可欠です。日本メーカーの研究所の管理職の皆さんは、新しい知識をとりこみたいという研究者の意欲を、「うちの業界と関係ないから」、とかいう既存の枠組みにとらわれきった発想で挫くのは辞めよう。


(2) 研究者の皆さんは変に日本という枠組みにとらわれず、台湾でも韓国でもアメリカでも自分の持つ発想や技術を大切にしてくれる環境に身を置きましょう。あなたの会社が経営危機に陥った時、一番始めに縮小されるのは残念ながらみなさんのいらっしゃる研究開発部門です。


(3) うさみは貧乏ですが、元気にやってます。
 ・・・仕事ください、本買ってくださいw

結局長くなってしまいましたが今日はこんな所で。ではでは。

執筆: この記事はうさみのりやさんのブログ『うさみのりやのブログGT~三十路の元官僚の天下りしない生活~』からご寄稿いただきました。

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