ハロー、マガジンハウスです。と、いきなり英語で挨拶してしまいました。今日、ご紹介したいのは、ロンドンのカッコいい‟大人”の女性たちの生活を紹介した一冊です。ロンドンといえば、世界的デザイナーを多く輩出し、TOPSHOPやNEXTなどのファストファッションブランドも豊富な、ファッション発信タウン! そこに暮らすマダムたちも、さぞかしおしゃれなんでしょうね~…ということで、本書を手掛けた編集S氏にお話を伺うことにしました。
―――Sさん、ご無沙汰しております。実はかつて私の上司だったSさんですが、その頃からファッショニスタとして名を馳せていただけあって、担当する本もおしゃれですね!
S 「いやいや、これはロンドン在住の日本人スタッフの皆さまのおかげですよ。セレブリティだけじゃなく、一般の人のおしゃれも見せたいから、現地取材はみっちりやりました」
―――この本には、55歳から70代超の素敵なマダムたちが登場しますが、服だけじゃなく、ご自宅のインテリアや持ち物なども紹介していますね。
S 「そう、いわゆるファッションスナップとは違い、服装だけじゃなく彼女たちのライフスタイルを紹介しています。装いから設えまで、という感じかな。もちろん街並みで撮った写真もあるから、ロンドンの空気感は味わってもらえると思います」
―――それにしても、みなさんイカしてますね! 色使いもキュートで、年齢とともに地味に目立たぬようにしようとしている我が身を戒めたくなりました。
S 「本書の冒頭にも、‟何かをするのに遅すぎるという発想は、まったく持っていない”と書きましたが、年相応という考え方がないんですよね。でも、やっぱりおしゃれな女性として生きてきたベテランたちなので、自分の出し方をよく知っていて、わきまえも上手」
―――だから、一見突飛なアイテムでも、魅力的に着こなしているんですね。Sさんのお好みはどの方ですか?
S 「僕はこの方かな、表紙にも登場していただいているアリソン・ロイドさん。真っ赤なプリーツスカートにナイキのスニーカーを合わせたり、アクセサリー使いが巧みだったり。とても可愛いと思います」
―――年齢は関係ないとはいいますが、60歳でこの着こなしは、本当におしゃれを楽しんでいる感じがしますよね。私はこの人が好きでした、パッツン前髪のテレサさん。インパクトのあるニットやハンドバッグが、自分の中の‟キッチュなもの好き”心をくすぐられます。
S 「彼女は、髪型や今言ったようなインパクトアイテムが目を惹きますが、実は家族や祖父母から受け継いだアクセサリーを身に着けているんです。おじいさんの形見とかね。そういった古いものと、新しいものをうまくミックスさせるのも、ロンドナーの特長です」
―――出た、ロンドナー。ロンドンっ子のことですよね?
S 「うん(笑)。パリジェンヌほど浸透した呼び名じゃないけど、ロンドナー気質というのは割とはっきりしていて。なんていうか、おしゃれなんだけど、‟服・命”ではなく、ライフスタイル全般を大事に、楽しんでいるんですよね」
―――確かに、この本に登場されるマダムの方々は、表情がとても生き生きとしていて、輝いています。そしてイギリスというお国柄もあるんでしょうけど、伝統を重んじる一方で、ロックな雰囲気も漂っていて」
S 「かっこいいよね。この本は、もちろん同世代の人には参考にしてほしいけど、若い人たちにも『大人の着こなしも面白いんだな』って思ってもらえれば。何歳になっても、攻めたファッションはできるって、この本を見ればわかってもらえると思います」
―――そうですね。このテルマさんなんて、まるでミュージシャンみたいなファッションかと思えば、ご自宅はガーリーなカントリー調だったり…。そのミックス感覚は、若い人のファッションの刺激になりそう。
S 「僕も年とってわかったけど、おしゃれって体力と違って衰えないんですよ。むしろ経験値が上がる分、より上手に楽しめるようになる」
―――さすが言うことが違いますね!
S 「いやいや(笑)。まあ、要するに僕が言いたいのは、女性はいくつになってもきれいってこと。この本のロンドナーみたいに、自信と誇りを持っておしゃれを楽しんで輝いている人は、僕はとってもきれいだと思います!」
―――素晴らしい名言、ありがとうございました。Sさんのファッション漂流記はまた追って聞かせてください!
今週の推し本
『ロンドンマダムのおしゃれライフスタイル』
smile editors 編
ページ数:128頁
ISBN:9784838728930
定価:1,620円 (税込)
発売:2016.10.27
ジャンル:エッセイ
[http://magazineworld.jp/books/paper/2893/]
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