2013年に公開された映画『レ・ミゼラブル』で、第85回アカデミー賞助演女優賞を獲得したアン・ハサウェイが、実は受賞は嬉しいことではなかったと語っている。
ハサウェイは、ガーディアン紙のインタビューで、同作の撮影で25ポンドも体重を落とし“本心を失った状態”であり、受賞の瞬間にステージに上がった時は“非常に居心地の悪さ”を感じていたことを認めている。
ハサウェイは、「皆の前に立ち、感じてはいない率直な喜びを表現しなければなりませんでした」と語り、続けて、「アカデミー賞を獲得したのだから幸せだと感じるべきなのかもしれませんが、そんな気持ちにはなれませんでした。ほとんどの人が一生で目にすることも無い位の高価なドレスを身にまとって舞台に立ち、人間の経験が積み上げた今もなお存在する傷みを演じて賞を得たことを、間違っているように感じました」と、語った。
ハサウェイはさらに、「喜ぶ振りをしたことで、とても非難されました」と語り、「それが真実であり、真相です。最悪でしたが、そこから学んだことは、たとえ死ぬほどの恥ずかしさを感じたとしても、それで本当に死ぬわけではないということです」と、続けた。
またインタビューでは、女性主導となったリブート版映画『ゴーストバスターズ』で、圧倒的多数が否定的な反応を取り、以降上昇傾向にあると見られる“有害な男性像”についてどのように思うかという質問があり、ハサウェイは、“有害な男性像”と“男性のエネルギー”を分けることの重要性を強調した。
ハサウェイは、「あなたが“有害な”という言葉を使ったことをうれしく思います。なぜなら、それが“男性のエネルギー”とは全く異なるものだということを伝えることは、とても重要だからです」と、語った。また、「男性のエネルギーというのは美しく、歓迎すべきもので必要不可欠なものです。男性のエネルギーというのは、なぜ我々がここにいるのかという理由の半分を作っているものだからです。とは言っても、男らしさの発想の中に男性のエネルギーの美しさの倒錯があることは、誰の役にも立っていないと思います」と、続けた。
ハサウェイは、『ゴーストバスターズ』の女性スターたちが、“彼女たちが出演する映画を攻撃することを選んだ男のために”非難され、攻撃される作品となった悲しみを表明した。
ハサウェイはさらに、9月に開催されたトロント国際映画祭でプレミア上映された新作映画『Colossal(原題)』についての議論も交わした。