『ジャングル・ブック』
【ストーリー】
ジャングルにひとり取り残された人間の赤ん坊、モーグリ。死を待つだけの幼き命を救ったのは、黒ヒョウのバギーラだった。彼がモーグリを母オオカミのラクシャに託した時、モーグリはジャングルの子となった。バギーラから自然の厳しさと生き抜くための知恵を教わり、ラクシャから惜しみない愛を注がれ、モーグリは幸せだった。人間への復讐心に燃える恐ろしいトラのシア・カーンが現れるまでは…。「人間は、ジャングルの敵だ…!」果たしてシア・カーンの言うように、人間であるモーグリはジャングルの“脅威”なのか? それとも、ジャングルに光をもたらす“希望”なのか?そして、モーグリを守ろうとするジャングルの仲間たちの運命は……?
【スタッフ】
監督:ジョン・ファブロー
原作:ルドヤード・キプリング
【キャスト】
モーグリ:ニール・セディ
バギーラ:ベン・キングズレー/松本幸四郎
バルー:ビル・マーレイ/西田敏行
ラクシャ:ルピタ・ニョンゴ/宮沢りえ
シア・カーン:イドリス・エルバ/伊勢谷友介
カー:スカーレット・ヨハンソン
アキーラ:ジャンカルロ・エスポジート
キング・ルーイ:クリストファー・ウォーケン
2016年8月11日公開。
http://www.disney.co.jp/movie/junglebook/
完璧までに美しい映像。だが、『ジャングル・ブック』の素晴らしさはヴィジュアルだけでは無い!
まず何をおいても言わずにはいられないのは、動物の毛並みが信じられないほどリアル! CGを売りにした数多くの作品を観て慣れているはずだったのだが、ここまで本物そっくりとは思わず、嬉しい驚きだった。動物園でさえ見たことがない動物の生態や、魅力的だが危険で足を踏み入ることができない異国の地。実際に体験したことがなくても、スクリーンのすみずみから伝わってくるジャングルの日差しや水の冷たさ、木漏れ日、草いきれなどが手に取るように感じられ、どの場面も完璧なまでに美しい。
だが実写『ジャングル・ブック』の素晴らしさはヴィジュアルだけではない。主人公モーグリの成長譚として楽しめるのはもちろん、種族の垣根を超えた家族愛や、厳しいジャングルの掟をどうとらえるかなど、観終わった後にそれぞれが必ず何かしら心に残っているはずだ。あと忘れてはいけないのが音楽。監督のジョン・ファヴローは『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』でソウルフードを探しにアメリカを横断しながら、行く先々でその土地の音楽を魅力的に使用していたが、今回はエンディングでニュー・オーリンズの大御所ドクター・ジョンを起用。監督の南部音楽への愛が感じられ、ファンには嬉しい限り。豪華キャストによる劇中の歌も楽しんでほしい。アニメ版を観たことのないお子さんにも、子供のころにラドヤード・キプリングの原作を読んでワクワクした大人にも、老若男女関係なく、全ての人に自信を持ってお薦めしたい。
【プロフィール】♪akira
WEBマガジン「柳下毅一郎の皆殺し映画通信」(http://www.targma.jp/yanashita/)内、“♪akiraのスットコ映画の夕べ”で映画レビューを、「翻訳ミステリー大賞シンジケート」HP(http://d.hatena.ne.jp/honyakumystery/)で、腐女子にオススメのミステリ&新作映画レビュー“読んで、腐って、萌えつきて”を連載中。
『ジャングル・ブック』が気に入ったら『シェフ』も観て!
筆者はジョン・ファヴロー監督の『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』が人生ベスト級に大好きです。『カウボーイ&エイリアン』はさておき、『ザスーラ』や『アイアンマン』シリーズも最高で、時に役者としての姿(『ウルフ・オブ・ウォールストリート』など)も見せてくれる彼の芸達者ぶりには脱帽です。そんな敬愛すべきファヴロー監督の最新作、しかも近年のディズニーがチカラを入れているクラシック作品の実写リメイクとあっては、もう観ない理由がないでしょう!
前置きが長くなりましたが、結論を申し上げると今作も最高でした! 映像のクオリティがとんでもないレベルに達しているのは、作品を観た誰もが触れることだと思います。事前に知らされていなければ、主人公のモーグリ(人間)以外、ジャングルも動物もすべてがCGで製作されたなんて気づかなかったと思います。仔オオカミ、可愛すぎるだろ! CGが“不気味の谷”を克服する未来もそう遠くはないのかも。もはや恐怖すら感じますね。
ストーリーは非常にオーソドックスで、クラシックの領域から大きく逸脱することはありません。なのに、目に移る全てが新しい! 『アイアンマン』で見せてくれた映像テクノロジーの発展と、『シェフ』で描かれた親子の愛情(という言葉には集約しきれないアレコレ)とが融合し、大人も子どもも楽しめる文句ナシの作品となっております。モーグリがジャングルにおける自身の存在意義を見出すシーンには思わず涙でした。トニー・スタークがアイアンマンとしての責任に目覚め、カール・キャスパーが父親としての役割に気付いた時と同じように。ぜひ、ジャングルにおけるヒエラルキーの描写を会社や学校に置き換えて楽しんで欲しいです。筆者の身の回りにも、シア・カ……、おっと、誰か来たようだ。
【プロフィール】よしだたつき
PR会社出身のゆとり第一世代。『Variety Japan』(http://variety.co.jp/)のシニア・エディターとしても活動中。アンディ・サーキス版の『ジャングル・ブック』も楽しみ。
これぞディズニー映画! エンドロールまで最高!!
いやぁ、やっぱり名作ってすごいですね。「これこれ!ディズニー映画ってこれだよね!」って改めて感じた作品でした。わかりやすいけれどドラマ性のある内容と、今だからこその映像美! 大量に登場するジャングルの動物たち。どこからがCGなんだろう? って考えちゃうくらいリアル! 毛並みはもちろん、微かな耳の動きなどもリアルで、本当に生きています。でも人語を喋るのでCGなんですよね~。背景についても、実際の森や草原で撮影された映像は一切登場しないっていうんだから驚きですよ! そこに加わる主人公のモーグリ役の少年、ニール・セディの演技もすごい!
そして、大きな魅力はやはり歌。軽快な音楽はこちらのテンションを上げてくれ、ますます物語に惹きこまれる! ディズニー・アニメ版でアカデミー賞歌曲賞にノミネートされたクマのバルーが歌う名曲や、ぐいぐいと引っ張ってから入るサルの王、キング・ルーイの歌に“これぞディズニー”感を感じるはず。さらに本編が終わってもそこからまた楽しませてくれるエンドロールも最高! 歌の場面を観るためにもう1度観に行きたいなぁ。もちろん全編いいのですが。
恥ずかしながらディズニー・アニメ版を観ていないのですが、ストーリーはラストが少し違うとか。やっぱり名作は名作でした。歌も構成も素晴らしいし、アニメ版も観ないといけないですね。
あ、ヘビが苦手な人は要注意です。
【プロフィール】non
アニメや可愛いものが大好き。主に「otajo」で執筆中。
自分の居場所、自分らしさとは何かを考えさせられる傑作
アニメの『ジャングル・ブック』は子供の時に観て、実はあんまり覚えていなかったりするのですが、今年が申年(さるどし)という事もあり、ディズニーシーでよく遭遇するんですよね。お猿たちに。みんな愉快で皆超じゃれついてくるので小さなお子様にオススメです!
と、いきなり脱線しましたが、『ジャングル・ブック』超絶素晴らしかったです。ちょっと自分でもひくくらい号泣しちゃいまして、涙の量でいったら今年段違い一位ですね。やー泣かされた。ディズニーアニメーションというのは動物の描き方が特に素晴らしいと思うのですが、特にクマ! 1964年のアニメ『ジャングル・ブック』から2013年の『メリダとおそろしの森』まで、ディズニーとクマは切っても切れないというか、本当に描き方が素晴らしい。特に本作ではクマのバルーが出る前と出た後でガラッと変わるというか、そして最後もバルーの活躍によって物語がしまるという一番大切なキャラクターとなっています。
ジャングルで育った人間・モーグリはいずれ悪気が無くても動物を傷つけてしまうかもしれない、だから人間のもとへ帰らなければ。というのが本作の起点となっていますが、バルーが「自分の居場所は自分で見つけるし、自分の力は自分のタイミングで使う」という事を教えてくれるわけです。その他、バギーラもラクシャもキング・ルーイもそれぞれ個性があって魅力的。敵キャラのシア・カーンでさえ、その迫力はとても恐ろしいのですが言ってる事がおかしくは無いんですよね。分かり易いストーリーはさすがディズニーですが、掘れば掘るほど深い! 大人の皆さんも必見!
【プロフィール】藤本エリ
映画・アニメ・美容に興味津々な女ライター。男性声優と猫が好きです。
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