選挙に行くことを損得として考えたことはあるだろうか? 7月10日には参議院選挙があり、7月31日には東京都知事選と大きな選挙が続いている。そして今年、今まで“20歳以上”だった日本の選挙権年齢が“18歳以上”に改正され、新たに240万人の有権者が誕生した。
これを受け、6月15日に書籍『18歳選挙権で政治は変わるのか』が発刊。共同著者である、21世紀の政治を考える政策秘書有志の会の黒澤武邦氏に<この本でいちばん伝えたかったこと>を聞いた。
伝えたいことは「選挙に行くことは“得”だということ」
「得なことは、若い人たちはこれから何十回と投票する機会があるので、将来の政治・政策を変えられます。損なことは、そのせっかくのチャンスを逃し、時には自分の思いと180度違う政治・政策になる可能性があることです」と黒澤氏。
候補者は1票の重みを知っているが、有権者は意外と1票の重みを感じていない人が多い。しかし、投票すれば政治に参加しているのだから、意見することもできるし、もし、自分が生活しやすくなる政策を掲げる候補者が受かれば、何か生活に変化が訪れるかもしれない。投票に行かなければ、自分に不都合のある状況に変わっていっても何も言えない、損しかないのだ。
イギリスのEU離脱を決定づけた国民投票も結果は僅差だった。1票であっても重要だ。
黒澤氏は永田町で政策秘書を務め、シンクタンクなどを渡り歩きながら、同時に早稲田大学の公共経営大学院で講師も務めている。21世紀の政治を考える政策秘書有志の会は、党派を超えた国会議員の政策秘書の集まりだ。
今回の都知事選でもそうだが、近年TwitterなどSNSでの立候補者の広報活動も盛ん。候補者も一度に多くの有権者に語りかけやすくなり、むしろ若者の方が候補者の情報を集めやすくなっていると語る。
「SNSが選挙活動としても使えるようになったことで、政治家の方も自分たちのPRを若者に向けて積極的に行っています。インターネットで検索すれば色々な政治政策の情報を見つけることができる。一方でスキャンダルなどネガティブな情報が出てくる場合もあるので、有権者としてその見極めや判断は必要になってきます。そういったところも含めて若者にも関わってもらい、1票の大事さを実感してもらいたいですね」(黒澤氏)
正に選挙は情報戦。直前になると候補者の名前がウワサ話として出てくるのは、世間のその候補者への印象を探るため。話題になるか、人気はあるのか、スキャンダルはないのか、そんな情報戦が毎回大きな国政選挙では繰り広げられているのだ。
ネットに慣れた若者はそんな見方で選挙を楽しむのもいいかもしれない、と黒澤氏は提案する。
そこにはどんな裏(情報戦)が隠れているのか、選挙速報の見方なども本書では説明している。
選挙について理解を深めたい若者だけでなく、大人でも楽しめる内容となっているので、都知事選前に手にとってみてはいかがだろうか。
【インタビュー動画】この本でいちばん伝えたかったこと『18歳選挙権で政治は変わるのか』
https://youtu.be/g5J1GCfmy5w[YouTube]
<書籍『18歳選挙権で政治は変わるのか』概要>
240万人の有権者の誕生! じつは、政治家たちは、その「1票」の怖さを知っている! 国会議員の政策秘書が現場から語る、政治と選挙。選挙権年齢が18歳になり、新たに誕生する有権者は240万人。若い世代が自分たちの意見を、政治に活かすチャンス到来!
しかし、「たかが1票で何か変わるの?」「政治なんて興味ない」というムードが漂うのも現実だ。投票したい政党がない。そもそも、世代を代表する若い議員の数が少ない。これでは、無力感は増すばかり――?
でも、このまま無関心でいいのだろうか? 1票では何が変わるかわからないが、1票さえも投じなければ、何かが変わるチャンスすらないのだ。若者政策のために政治家を動かすには? SNSの選挙運動でできること/できないこと? そもそも民主主義とは? 大人もあまりわかっていない選挙制度を、リアルな政治の現場で働く「政策秘書」が紹介する。
著者:21世紀の政治を考える政策秘書有志の会
梅谷守/岡田裕二/黒澤武邦/村田昭一郎/若林継啓協力:
学生団体ivote/NPO法人ドットジェイピー/一般社団法人日本学生会議所/NPO法人僕らの一歩が日本を変える。
出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2016年6月15日
http://www.d21.co.jp/shop/isbn9784799319130
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