人形ホラーと聞いて思い浮かぶのは、『チャイルド・プレイ』に『アナベル 死霊館の人形』……。しかし今年、“あなたの先入観が試されるジャンルスイッチムービー”として、必ずや観る者の予想を覆す人形ホラー『ザ・ボーイ 人形少年の館』が日本に上陸する。男の子の人形を“人間の息子”として扱う老夫婦に子守を任された主人公が、想像だにしない恐怖を味わうという物語だ。ホラー通信でも紹介するたびに「絶対に観たい!」という声が相次ぐ話題作である。
それはさておき、いつも平和なホラー通信編集部にお客さんがやってきた。なにやら大荷物の怪しい男女である。腕に抱えているのはお子さん……? かと思いきや、人形だ。
二人の男女はホラー通信記者に人形をあずけて出て行ってしまった。しかも人形なのに「子守をお願いします」と言うのだから不思議な人たちだ。そこではたと気付いた。この人形は、『ザ・ボーイ 人形少年の館』の撮影に使われた本物のブラームスではないか!
つやりとした白い肌、意思を感じる瞳、可愛らしい小さな鼻と口。撮影には材質を変えて作られたブラームスが4体使われたというが、この子はお顔がシリコンでできているものだ。さわりたくなるほっぺをしている。
子守のついでにブラームスにインタビュー
せっかくなので彼に色々と話を聞くことにした。映画に登場するブラームスは一切しゃべることはないが、今回はまあ大人の事情であろう。ありがたいことに、めっちゃしゃべる。
記者:ずいぶん遅くに編集部に来たけど、今日一日なにしてたの?
ブラームス:僕、初めて日本に来たんです。なので外国人が日本へ来ると必ず足を運ぶという渋谷のスクランブル交差点を見に行ってきました。そのあとも両親に抱かれて東京の観光地を色々歩いていたんですが、同じく観光していた英語圏の方が僕を見て「Oh my god!!」と叫んでいましたね。
記者:そら叫ぶわな。
記者:映画観たんだけど、君は若くて美人な女性が好きってほんと?
ブラームス:まあ、こだわりがありますね。今まで何人も子守として雇ったんですが、色々あって(小声)いなくなりました。今回のグレタはこれまでよりとびきり可愛くて若いから、すごく気に入ってるんです。でも彼女も、僕の面倒を見るときの“10の約束”を守ってくれなくて……。
記者:予告編ですでに約束やぶりまくってたわね。見てるこっちがハラハラしたわ。
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ブラームス:グレタを演じたローレン・コーハンは『ウォーキング・デッド』のマギー役で人気が出ましたけど、これからは恋愛映画なんかに出たかったそうなんです。でも僕の映画の脚本を読んで、「これは絶対出る!!」と言ってくれた。まあ、本当は僕のことが気に入ったんだと思うけど。
記者:へ、へえ……。主演の君が思う、この映画の見どころってどんなとこ?
ブラームス:人形が出てくるホラー映画って色々あるけど、大体、呪いがかかっていて人形が勝手に動き出すとかでしょう。僕の作品はそれとはぜんぜん違うってことを皆さんにお伝えしたいですね。僕の顔は光の当て方や見る向きによって表情が違って見えるんです。CGを使って僕を動かしたりせず、周りの人の心のなかにある恐怖が反映される。こういう手法は他にはないんじゃないかな。
記者:なるほどね。それに、君の映画は“ジャンルスイッチ”がかなり重要なキーポイントだよね。後半の展開には思わず「まじかよ!!」って叫んじゃったわ。
ブラームス:そうなんです。どういうジャンルからどういうジャンルにスイッチするのかは、映画を見てのお楽しみ。きっとみんな騙されるんじゃないかな。
ブラームスに聞きたいことはあらかた聞けたが、彼を連れてきた二人がなかなか帰ってこない。映画でも、グレタにブラームスをあずけた老夫婦は、旅行に出かけてなかなか帰ってこないのだ。こりゃあしちめんどくさい10の約束なんて、破りたくもなるな……。
と思ったころ……………
謎の二人:申し訳ないがあなたはブラームスの子守として失格になりました。ブラームスを返してください。
突然戻ってきて、勝手なことを言うものである。ちなみに記者の失格理由は“10の約束”のうち「音楽を大音量でかけること」を守らなかったからだそうだ。オフィスでそんなことできるか〜い!
ブラームスは日本で新たな子守を探すべく、『ザ・ボーイ 人形少年の館』上映館である新宿シネマカリテに向かったとのこと。劇場で実際に本物のブラームスに会うことができるので、子守の自信のある方はぜひ足を運んでみてほしい。
映画『ザ・ボーイ 人形少年の館』は新宿シネマカリテの映画祭『カリコレ2016』ほかシネ・リーブル梅田にて上映。上映回数が限られているのでお気をつけて!
<新宿シネマカリテ上映スケジュール>
7月17日(日)15:30~
7月21日(木)21:00~
7月26日(火)10:30~
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