今回は一般社団法人 大日本猟友会さんのサイト『目指せ!狩りガール』からご寄稿いただきました。
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■目指せ!狩りガール no.8 狩猟免許取得への道。ついに試験日がやって来た。<受験編>(目指せ!狩りガール)
ありちゃん:食べることが大好き、アウトドアもちょっと好きな会社員。ひょんなきっかけから「ハンター」を目指すことに。東京都内在住。カリタロー:狩りガール活動を応援するジビエ好きの犬。ありちゃんと一緒に勉強して、いつかカッコイイ猟犬になるのが夢。
だいぞう師匠:猟友会に所属している優しきオジサマハンター。自然のことにも詳しく、ハンター仲間として若者を育てています。
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だいぞう師匠:ハンターのだいぞうです。一週間前に猟友会主催の「狩猟免許講習会」を受講したありちゃん。今回はいよいよ狩猟免許試験の本番です。講習会で教わったポイントを中心に勉強した彼女を待ち受けるのは知識試験(筆記)と技能試験。試験を終えたありちゃん、どうやら勉強以外にも得るもの、感じるものがあったようですよ。
●狩猟を知るには生き物も知らねばの巻。
ありちゃん:マロンパフェください!
カリタロー:かけつけパフェを注文したありちゃんですが、今日は朝から試験を受けてきました。オツカレサマってことで甘い物を食べながら試験のお話を聞きますよ。オツカレ!
ありちゃん:ふー、やっとひと落ち着きだね、マリちゃん。
マリちゃん:そうだねー。鳥獣判定を少し間違えちゃった。結構勉強したのにな。
ありちゃん:本番になると緊張しちゃうよね!あたしも一カ所……
カリタロー:ワンワン!ちょっ!ゲストがいるなら、まず紹介してよー!!
ありちゃん:あ、そうだったね(笑)。こちらマリちゃん。先週の講習会から一緒の狩りガール仲間です。彼女も猟銃の狩猟免許を取るんだよ。都内の会社員さんです。
カリタロー:ハジメマシテ!マリちゃん。どうしてこれまた狩猟免許を?
マリちゃん:犬さんコンニチハ。今はフツーのOLなんですが、学生時代に森林の保護に関する勉強をしていて、森を守るハンターへの憧れがあったんです。
ハンターはレンジャーだね!(NO.01参照*1)
*1:「no.1 -プロローグ- 「おいしい」のはじまりを知りたくて」『目指せ!狩りガール』
http://kari-girl.com/vol1.html#entry
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試験終了のごほうびにカフェでスイーツタイムの二人。見た目は完全に女子会ですが話の内容は100%狩猟トークでした。
ウェイトレス:お話中失礼しまーす!ただいまキャンペーン中なんですが、クジで当たると割引になりますよ。
ありちゃん:じゃあ私が!あ!!ハズレ~。
ウェイトレス:ああ、残念でした。どうぞごゆっくり。
ありちゃん:でもここで運を使わなかったから、私たち合格するね!
カリタロー:プラス思考やな~。ウンを貯めたんだね。
ありちゃん:そう、たまった。溜めフン!
カリタロー:今なんつった?
ありちゃん:タヌキはね、仲間同士同じ場所でフンをするの。その場所を通じて情報交換をしているんだって。それが「タヌキの溜めフン」。今回の試験向けに勉強して覚えたの。
カリタロー:日常生活では使わない言葉だね。
マリちゃん:そうそう。講習会でも教わったんだけど、狩猟免許取得のためには野生鳥獣の知識がけっこう必要なんです。動物の名前を覚えるだけじゃなくて、生態も。
カリタロー:そっか!獲物のことを知らないと探すのも大変だもんね。ありちゃんはこの一週間でどうやって勉強したの?
ありちゃん:やっぱり仕事の後に勉強する時間が取れなかったので、出社前の30分に朝活したよ。毎日コーヒーショップで「狩猟読本」を広げていました。
カリタロー:そっか。先週、カモの種類を覚えるだけで大変って言ってたもんね。
ありちゃん:うん。狩猟鳥獣については、イチから覚えなくてはいけなかったから。ワタシが力を入れたのが鳥獣の判別。狩猟読本には鳥獣のイラストが載っていて、鳥類や哺乳類で狩猟して良いものダメなものを見分けるの。朝活だけで覚える自信がなかったから、イラストをトイレに貼って暗記したよ。左側には狩猟鳥獣、右側の壁には非狩猟鳥獣ってな感じで。
マリちゃん:すっごーい。私なんて一夜漬けだったので今日は眠かったです。
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筆記試験にも実技試験にも狩猟鳥獣についての設問があります。鳥獣保護の観点からも狩猟に必要な知識なんですね。
ありちゃん:でも鳥獣について勉強するのに一生懸命で、散弾のサイズや射程距離とか数値を覚える時間がなかったのー。
マリちゃん:数値はなんとか覚えたんだけど、筆記試験であった鳥類の大きさ比較の問題がわかんなかった!
ありちゃん:あれはまぎらわしいよね!でもきっと大丈夫な気がする!あとね……
だいぞう師匠:ありちゃん、マリちゃんが盛り上がっている狩猟免許試験の話ですが、彼女たちが受けた試験ではまず、30問の選択問題に答える知識試験(筆記)があります。制限時間は90分。問題は二人が話題にしている鳥獣について、法令、猟銃の知識など、狩猟に関するさまざまな内容が出題されます。この筆記試験の結果はすぐに発表されますよ。そして……
●知識試験合格者だけが技能試験にGO!
カリタロー:知識試験が終わって、お昼過ぎには実技を試す技能試験なんだよね?
ありちゃん:それがまず、知識試験に合格しないと技能試験には進めないのだ!みんなが集まっている場所に合格者番号が貼り出されたんだよ。ここで落ちてたら本日は終了になるところでした。
マリちゃん:結構ドキドキしたよね。二人とも合格したけど、何人か実技に進めなかったと思う。
カリタロー:ランチの後にそんな緊張の一瞬があったんだね。
だいぞう師匠:狩猟に関する知識試験に合格した受験者は午後から技能試験を受けます。ありちゃんたちが受けた第一種(猟銃+空気銃)のほか、第二種(空気銃)、網・わな猟それぞれの免許に応じた実技を試されますよ。講習会で練習
した成果はいかに?
ありちゃん:まずは視力や指の動きを見る適正試験を受けたよ。その後は3人1組になって銃器に関する技能試験を受けるの。
マリちゃん:第一種では銃器の点検、分解、組み立てと、3人で銃器の受け渡しや射撃姿勢など、模擬銃を使って実際の動きを想定した正しい取り扱い方法を見られました。
カリタロー:先週、ありちゃん何回も練習していたよね。
ありちゃん:うん……。
カリタロー:わ、いきなり落ち込んだ。今までの前向きな顔はどうした?
ありちゃん:装てんも脱砲も、団体行動での構え方も、受け渡しも、ちゃんとできたの!模擬銃の点検も分解も問題なくできたのに!
カリタロー:先週の予備講習でがんばってたおかげだね。
ありちゃん:なのに……、肝心の組み立てだけがなかなか上手くいかなくて。
カリタロー:あらららら。
ありちゃん:でもね、この組み立てが出来ないと減点数が大きいからあきらめないで何度もやり直しました。だんだん重さで腕がプルプルしてきたから、一度置いて落ち着いて。最後に「カチッ」とはまった時には、試験官も同じ組の二人もホッとしてくれたよ~。
カリタロー:それはヒヤヒヤだったワン!
ありちゃん:あれで一気に自信が無くなったよ~。
マリちゃん&カリタロー:きっと大丈夫だよ(根拠ないけど……)。
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ありちゃんの組は60代と40代の男性が一緒でした。世代は違えど狩猟免許試験の仲間として励まし合ったそうですよ。
だいぞう師匠:模擬銃の組み立てで苦戦して落ち込んだありちゃん。でも最後までやり遂げたのは立派です。これが完了しないと減点数は大きいですからね。銃器を使った実技では、「銃口を人に向ける」「引き金に指をかける」といった絶対にNGな不合格ポイントにも気をつけて。このあたりも事前にしっかりチェックが必要です。また、この他にイラストや写真を使った狩猟鳥獣の判別試験や目測で距離を測る試験も行われますよ。
●ハンターライセンスを持つことって……。
ありちゃん:まあ、落ち込んだりもしたけれど、ワタシは元気です。きっと大丈夫だと思う!とにかく、先週の講習会と今日の試験で出会ったすべてが面白かった!
カリタロー:オベンキョ大変だったのに?
ありちゃん:覚えることがたくさんあるのは大変だったけど、勉強した内容は楽しいものばかりだったよ。今まで登山に行っても「キレイな景色だなあ」くらいにしか思わなかったけど、これからは見かけた野鳥の種類や動物の痕跡とかも気になって、視点が変わると思う。
マリちゃん:そうだよね。今回の勉強では種類はもちろん飛び方や足跡も覚えたし。
ありちゃん:ね!知れば知るほど早く狩り場に行ってみたくなったよ。まさか自分がここまで狩猟に興味を持つとは思わなかった!
マリちゃん:ホント、狩猟への興味が増したよね。実は、先週の講習会までは緊張してたんです。コワイ雰囲気の人ばかりだったらどうしようって(笑)。それが、猟友会の方も、都の職員さんも、受験する人もみんな優しいし、女性のお友達も出来て印象が変わりました!
ありちゃん:あとね、講習会で「ハンターに対する世間の目は厳しい」って話を聞いて、ますます今回習ったマナーを守って、イメージを悪くしないことが大切だなとも思ったよ。
カリタロー:不安な印象を持たれないように、きちんとしないとね。
ありちゃん:とりあえず覚えたことを忘れないうちに図鑑を持って井の頭公園に行きたい!そして本物のカモを見て種類を確認したいな。
マリちゃん:それもいいけど、まずは合格を祝って打ち上げじゃない?
ありちゃん:いいねえ!
カリタロー:気になる狩猟免許の合否は?結果は約二週間後!と、いうわけで……
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カリタロー:ワーーープ!
二週間後にやってきましたよ。結果は郵送されるんだって。どうだったワン?
ありちゃん:とったどー!やりました。合格通知が届きました。
カリタロー:噂ではマリちゃんも合格したそう。これで狩猟免許取得です。おめでとう!ありちゃん。
ありちゃん:ありがとう!次は射撃教習だね。
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ひとつずつハンターに近づくありちゃん。だんだん狩りガールとしてのイメージが具体的になってきます。
だいぞう師匠:おめでとう!これでハンターにまた一歩近づいたね。今回、ありちゃんが受けた東京都の狩猟免許試験では受験者が昨年より大幅に増えたそうです。ありちゃんが見た感じでは一種、二種、網・わな猟含めて200人弱。うち二割ほどが女性の印象でした。そこで、東京都環境局の担当の方に印象を聞いてみましたよ。
最近、狩猟をテーマにしたマンガがベストセラーになったり、昨年度から環境省による「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」が開催されたりしているので、以前より身近に感じて興味を持つ方が多くなったことが、受験者増加の理由のひとつではないでしょうか。『目指せ!狩りガール』のサイトも影響しているかもしれませんね。有害鳥獣駆除の面からも、次世代の担い手として若いハンターが増えてがんばってほしいと思います。一方、残念ながら全国で猟銃の事故もあります。新しく免許を取られる方にも十分に注意して狩猟に臨んでもらいたいです。
免許の取得は、自然との関わりの第一歩。私たちが生きていくために多くの命をいただいていることを実感しつつ、人間と自然との関係を考えるきっかけになればと思います。(東京都環境局自然環境部)
ありちゃん:この『目指せ!狩りガール』も興味を持つきっかけになるといいなぁ~。
次回のありちゃんはどこで何を体験するのか?狩りガールへの道はまだまだ続きます!
次回09につづく!
執筆:この記事は一般社団法人 大日本猟友会さんのサイト『目指せ!狩りガール』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2014年06月20日時点のものです。
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