週刊ビッグコミックスピリッツで連載中の『美味しんぼ』。作中、福島を取材した主人公の山岡士郎などが鼻血を出す描写などがあり、風評被害を招くと批判が殺到している問題。
5月12日、最新号である24号が発売されたが、前号の福島県双葉町に続き大阪府が内容に抗議するなど波紋は広がっている。
以前、ガジェット通信でお伝えした記事、
『美味しんぼ』に登場の井戸川克隆・元福島県双葉町長 「大震災の8日前に政府は地震津波があることを知っていた」
の井戸川克隆・元福島県双葉町長や、岐阜環境医学研究所所長の松井英介先生が「福島の真実」を語るという24号の内容。
井戸川氏は「今までの対応から、東電と国の言うことを信じてはいけない」「前町長として双葉町の町民に福島県に住むなと言っている」と語る。
政府の事後対策会議にも、福島県の会議にも呼ばれたことがないという井戸川氏、汚染土壌を貯蔵する放射性廃棄物の中間貯蔵施設を双葉郡に作るという福島県と双葉郡の会議に出席しなかったことを町議会でとがめられ不信任決議を受け辞任したという。
中口新介「その町議会はおかしいですよ。どうして不信任するんです。」
難波大助「井戸川さんが邪魔な勢力があるんや…」
というセリフの後、井戸川氏は
「私はとにかく、今の福島に住んではいけないと言いたい。どんな獣でも鳥でも自分の子供を守るために全力を尽くす。どうして人間にできないんですか。子供の命が大事でしょう。」
と語り、
海原雄山「私が福島を回るあいだに感じていたことを井戸川さんに明確に言っていただいて、胸のつかえが下りました」
山岡士郎「しかし、真実を言うと町長を辞めさせられるこの日本という国は…」
というやりとりが。その後、双葉町から避難してきた人の現状の紹介や、福島大学の荒木田岳准教授が除染の現状を語る場面があるが、荒木田教授は
「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんて、できないと私は思います」
とも語っている。
次号で「福島の真実」編はクライマックスとのことだが、波紋はまだまだ広がりそうである。
※画像は週刊ビッグコミックスピリッツ 2014年24号より引用
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