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サム・ライミ監督インタビュー「“陶器の少女”は日本のアニメのヒロインに似ているかも」

2013/03/08 09:06 投稿

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伝説的ファンタジー・キャラクター、“オズの魔法使い”を豪華キャスト&スタッフ陣で映画化した映画『オズ はじまりの戦い』。数奇な運命に導かれ、一人の男が偉大なる魔法使いになるまでを描くアクション・ファンタジー大作のメガホンをとったのは、鬼才サム・ライミ監督です。

サム・ライミ監督は、『スパイダーマン』シリーズでスター監督の仲間入りを果たした人物ですが、デビュー作『死霊のはらわた』をはじめ、『ダークマン』『スペル』など、ホラー映画ファンにカルト的な人気を誇っています。今回、『オズ はじまりの戦い』のPRの為来日したサム・ライミ監督に、映画の見所などインタビュー。映画界に突如として現れた萌えキャラ“陶器の少女”や日本のオタク文化についてもお話を伺ってきました。

(撮影:レイナス)

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――『オズ はじまりの戦い』は、世界的に有名な物語『オズの魔法使い』の前日譚を描いていて、今まで観たことの無いファンタジーとなっていますが、監督は子供時代に『オズの物語』を読んでいたのでしょうか?

サム・ライミ:実は、映画を撮るまで物語を読んだことが無かったんです。最初にこの映画の脚本を読んで、14冊あるシリーズのうち4冊をまず読んだんですね。そこから非常に興味を持ちました。オズという主人公は、非常にミステリアスで正体がつかめない。そんなキャラクターを基に作られた脚本でした。

――そんな『オズの魔法使い』を読んで抱いた感動や驚きを映画にどの様に活かしたのでしょうか。

サム・ライミ:今回の映画は1939年の映画『オズの魔法使』の前日譚になっていますけれど、『オズの魔法使』は本当に私も人生の中で好きな映画に入りますし、愛にあふれている素晴らしい作品だと思うんですね。旅の途中で友達が増えていったり、絆が生まれたり、最後にドロシーが自分自身を見つけるということであったり、全て土台に愛があり、そこに共感をして、本作にも反映させたかったのです。

――ファンタジー大作として、美しいヴィジュアルやキャラクターの愛らしさを楽しめる一方で、オズの成長物語には大人が考えさせらるほろ苦さを感じました。

サム・ライミ:主人公のオズは「いつか偉大な男になりたい」と願っているわけですが、旅の途中で「偉大な男になる為には、良い人間にならなくてはいけない」と気付くわけです。人生は楽な事ばかりじゃない、と子供に教える事は必要ですし、素晴らしい童話にはそういった教訓が必ず含まれているものですよね。

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――日本には、サム・ライミ監督作品のファンがたくさんいるのですが、今回の映画はそんなファン達を良い意味で驚かせるキュートな仕上がりでしたね。

サム・ライミ:ラストシーンは、画面からにじみ出る様な幸福感や喜びがとても美しいですよね。特にオズが陶器の少女に最後に語りかけるシーンは楽しかったです。今までハッピーエンドの映画を撮ったことが無かったので(笑)。

――新しいサム・ライミ監督を感じることが出来ると。

サム・ライミ:私は観客の反応を気にするタイプなので、必ず観客と一緒に自分の映画を観る様にしているんですね。自分は根っからのエンターティナーなので、観客が心から楽しんでいる姿を観たらハッピーですし、自信もわいてきます。でも、まだ本作に関しては観客と一緒に観るということが出来ていないので、はやく反応が見てみたいですね。

アーティスト肌の監督、エンターティナーな監督の2種類があって、アーティスト肌の監督は撮り終えてしまえば「これは芸術作品だ」という事で納得は出来ますが、自分はあくまでたくさんの観客に観てもらってこそ“映画”だと思っているので、楽しみです。

――個性的なキャラクター達も本当に魅力的でした。日本にはアニメや漫画を愛する“オタク”という存在がいるのですが、この映画に出てくる「陶器の少女」は、オタクの間で大人気になる予感がします。

サム・ライミ:オタク? オタクという存在は知らなかったけど、それは素敵だね! 言われてみると陶器の少女のキャラクター自体が、日本のアニメに出てくるヒロインに似ている部分があるかもしれないですね。彼女は陶器なので、非常にデリケートで壊れやすい存在なのですが、中身は見た目とは裏腹に、勝気で男勝りで気が強い。そんな所にも注目して観ていただけたら嬉しいですね。

――どうもありがとうございました!

編集後記:ビシっとスーツで決めてインタビューに応じてくれたサム・ライミ監督。緑茶を飲みながら、終始にこやかにお話してくれて、とても優しい方でした。『死霊のはらわた』主演のブルース・キャンベルさんとは仲良しの様で、インタビュー時にも「今夜電話するんだ」と言っていました。

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『オズ はじまりの戦い』

作家ライマン・フランク・ボームが生んだ伝説的キャラクター、“オズ”。ディズニーと「スパイダーマン」3部作の鬼才サム・ライミ監督によって、謎に包まれたこの魔法使いの“知られざる過去”が初めて明かされる。それは、数奇な運命に導かれ、一人の男が“偉大なるオズ”になるまでを描く、世紀のアクション・ファンタジー。不思議に満ちた魔法の国“オズ”を救うため、美し過ぎる魔女たちとの壮大なる戦いが、幕を開ける!

2013年3月8日全国公開。

http://www.disney.co.jp/movies/oz-hajimari/

(C)Disney Enterprises, Inc.

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