今回はメカAGさんのブログ『疑似科学ニュース』からご寄稿いただきました。
■絶対数と相対数をごっちゃにする人々
「大学が有能な人材を排出する方法」 2013年02月17日 『BLOGOS』
http://blogos.com/article/56352/
要約すると大学のレベル低下は、馬鹿がたくさん大学にいくからだ、という主張のようだ。間違ってはいないと思うが、だからといって有益な主張かは疑問。
たとえば
優秀な学生が10人
優秀でない学生が100人
という状況と、
優秀な学生が10人
優秀でない学生が500人
という状況。平均値を取れば当然後者はレベルが低くなるだろう。大変だ、レベルがどんどん下がっている!と。
でも社会として重要なのはどちらも優秀な人間をちゃんと10人卒業させているという点だと思うのだよね。つまりどちらも同じ。日本社会に必要なのは優秀な人間の絶対数なのだから、優秀でない大学生が100人いようが500人いようが、問題ない。
優秀でない学生400人を大学に入学させず高卒のままにしたところで、その人間が日本国内に存在することには変わりないんだから、大勢に影響ないよね。優秀でない学生は大学なんていかずにさっさと働いたほうが労働人口が増えて、日本経済にプラスだというなら、ひとつの考え方ではあるけど。
あと三流大学が増えると、優秀な学生が分散してしまい、一流大学(東大とか)のレベルも下がるという理屈がさっぱりわからん。優秀な学生はやっぱ一流大学を目指すんじゃないか?
形ばかりの平均値を上げることになんの意味があるの?と。なんでも「平均」ばかり考えて、それをむやみやたらに改善しようとするのは不毛。
* * *
似たような話題なのでついで。
「日本の大学生はなぜ勉強しないのか」 2013年02月17日 『BLOGOS』
http://blogos.com/article/56355/
大学生が勉強するかしないかはともかく、それが今の日本の活力を奪っているというのは、どうかなぁ。日本経済が絶好調だった1980年代の頃も同じだったと思うけど。
必要以上に教育と経済を結びつけるのは、教育のあるべき姿を歪め、かえって有害だと思うのだよね。この記事から大学の話を抜きにしても、論旨は(正しいか否かは別として)変わらない文章になるはず。
執筆: この記事はメカAGさんのブログ『疑似科学ニュース』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年02月26日時点のものです。
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