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“未だかつてない”“誰も見た事のない”これらは、映画を形容する際にしばしば使われる言葉である。が、4月1日に公開となる映画『ハードコア』は、本当の意味で“未だかつて誰も見た事のない映画”である事は間違いないでしょう。

まずはこの本編動画を見てください。

映画『ハードコア』:激ヤバカーチェイス動画解禁
https://www.youtube.com/watch?v=USiW2lfOKhQ [リンク]

そう、この映画主人公は“自分”なのだ。全編FPS<一人称視点>で作られた本作は、観るからシンクロするという、映画の新しい表現方法を実現した超意欲作! ロシア出身の新人監督イリヤ・ナイシュラーが制作したプロモーション映像がネット上で大きな反響を呼び、クラウドファウンディングによって長編映画化が実現したという次世代の一本なのです!

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【ストーリー】
準備はいいか?あなたは今から、愛する人を取り戻すためこの“クレイジーな世界”に放り込まれる。妻であり、絶命したあなたの身体をサイボーグ化し蘇生させた一流の研究者である美女・エステルが、エイカンという奇妙な能力を使うヤツに誘拐されてしまった。道先案内人は変幻自在のジミー。あなたの身体を狙うエイカン率いる傭兵たちを倒し、エステルと“記憶の謎”を取り戻すことが出来れば、あなたの存在する目的と真実を知ることができるかもしれない。幸運を祈る。

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今回ガジェット通信では、本作を手がけたイリヤ監督にインタビューするミッションを遂行。映画について、熱い想いを聞いてみました。

―本作はクラウドファンディングで長編が作られた経緯をもっていますが、作品作りのきっかけを詳しく教えてください。

イリヤ監督:2013年の春頃に自分のバンドの「Bad Motherfucker」というミュージックビデオをやって、その時は映画にしたいとか全くそういった計画はなくて。単にミュージックビデオとして作っただけだったんですけど、まぁそれがたまたまYoutubeにアップしたら一気に炎上と言うか火がついて(笑)。すぐに、その2日後くらいに製作のティムールから電話がかかってきて、とういうかコンタクトがきたんだよ!それですごく気に入ったと。素晴らしいと。これを90分くらいの長編に引き伸ばして一人称で語られるアクション映画をつくってみないか?と言われたんだけど、自分はそれを聞いた時、最初それはあんまりイケてないアイディアだと思ったんだ。

そもそも90分もの長編を全部一人称でやるってかなりキツいし、実際映画として誰がそんなの見たいかっていう風に正直自分は思ったんだ。しかも自分はもともと1本目の映画をその時、既にプリプロに入って計画中だったんだよ。それは80年代を舞台にしたスパイもので。そういう映画の方に取り組んでいたこともあって、ちょっとそれはどうかなと思ったんだけど、結構ティムールが熱心に「誰も今までやったことがない試みだし、あの素晴らしい一人称、全部一人称で語られる誰もやったことがないアクション映画っていうのを作ってみたくないか?君自身も観客としてそれを観たくないかい?」と言われて、まぁそう言われてみればそうだよなぁってことになって(笑)。ジェームズ・キャメロンとかが撮ったらもっと素晴らしい作品になったかと思うんですけど、残念ながら彼は今アバターの続編を撮影中なので(笑)。スケジュールも合わなかったということで、役がまわってきたということだね。

【元動画】Biting Elbows – The Stampede (Official Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=QYm-dT24iRY [リンク]

―良い意味でジャンルがつけづらい作品だと思います。監督が友人に紹介するからジャンルをなんと説明しますか?

イリヤ監督:本当に一言だけで言えと言われたら、アクションコメディと呼ぶんだけど。主演のシャールト・コプリーと最初にコンセプトを話し合った時に、もちろん1本の映画として成立しなければいけないし、映画そしてビデオゲームそしてジェットコースター、それからロックコンサートに自分が行っている、観ている、と。その4つの要素を全部併せ持った体験というのを観客が出来るような映画を作ってみたいというのが目標だったんだ。

それでこの映画が完成してから映画祭を7~8か国まわって色んな観客の反応を見てまわったんだけど、映画の部分はもちろん自分でも自信があるし、映画としては成立しているけど、ビデオゲームも色んな人のコメントで「すごいビデオゲームをやっているようだ!」と面白かったと言ってくれて。ジェットコースターもクリア。でロックコンサートも数か国においては観客が映画を見ながら「うわー」とか「おー」とか「イェーイ」とか色々奇声を発したりしながら一緒に盛り上がるみたいな一体感があって、ロックコンサートの部分も成立しているということで自分的には目標達成できたかなと。自分がやっぱりアクションコメディの部分であえてコメディとつけるのはもちろん非常に暴力的なバイオレンスな映画ではあるんだけれども、それこそスラッシャーとかとにかくエグイだけの暴力映画みたいなので、観終わったらシャワーを浴びたくなるみたいな。そういう後味の悪い映画にはしたくなかったから、自分的にはやっぱりちょっと要所要所にクレイジーでぶっ飛びすぎて逆にクスっとなる軽妙なタッチというのを入れ込んでコメディという部分もしっかり描きたかったっていうのはあるかな。

―スポンサーの理解を得るのは大変だったのでは? つまり資金集めは大変ではなかった?

イリヤ監督:スポンサー獲得は比較的簡単だったよ(笑)。というのもまず製作のティムールから話をもらった時点である程度の金額の資金を彼自身で調達してきてくれたんだ! 彼がまた2人目のスポンサーというのを捕まえてきてくれて、その時点でほぼほぼバジェット(予算)は出来上がっていたんだ! 全然スポンサー獲得は楽勝だったけど、GoProは機材とソフトウェアを提供しているというだけでお金は出していないんだ。もう1個スポンサーとしてはヘンリーがずっと履いているリーボックのスニーカー。

ただちょっと裏話というか笑い話があって、制作会社のひとつのSTXというアメリカのグループ会社がアメリカ版のポスターのヘンリーがナイキのエアマックスを履いていたんだ! リーボックがスポンサーというのを知らずに(笑)。それでちょっとすったもんだしたという裏話があって……ちょっと笑えるでしょ?(笑)。あとはロシアの有名なミネラルウォーターの会社があってね。そこもスポンサーとして大量のミネラルウォーターを提供してくれて。夏場に撮った時にすごく暑くてよく内水をするんだけど。ミネラルウォーターを内水に使ってたくらい暑かったりしてさ。大量に何重ケースものミネラルウォーターをそこに提供してくれたんだ。なのでメインのスポンサーは本プロとリーボックとミネラルウォーターの会社。そんな感じ!(笑)。

―音楽の使い方がとにかくクールでした!影響をうけた作品やアーティストを教えてください。

イリヤ監督:子供の頃からひたすらパンクロック一筋。他の音楽なんて完全に商業的で自分は結構反体制だったので、あんなくだらない音楽なんか聴いてられるかみたいな感じでね。結構かっこつけてた部分もあってパンクロック以外は全然聞かなかったんだ。それを後になって悔やんでいるけど(笑)。音楽というのも映画と一緒で、ジャンルを超えて好き嫌いせずに何でも楽しめると良い曲は良い曲ということだね。まぁそういう風に気づいて悟って色々聴き始めたんだけど。

そもそもこの映画のインスピレーションというのが、この映画の起点となったといってもいいくらいのバンドがSublimeなんだけど。Sublimeの曲を10秒ほど劇中で使っているんだけど、その10秒を使うのにものすごい使用許諾料がかかるから、こんな10秒に使うためだけにそんなお金は払えないってプロデューサーとかみんなにやんやんやんやん言われて(笑)。いやこれから始まったんだからこのお金は死んでも払う!10秒使わせてくれってSublimeの曲を10秒使わせてもらっているんだ!あとはThe CrushとかThe Smiths!すごく好き!モリッシー(The Smiths)はあの本当に世界最高の詩人だと思う。しょっちゅう聴いている今挙げた3つがやっぱり1番影響を受けたアーティストかな。この映画に関してもそう。インスピレーションになっているアーティスト。映画にしても音楽にしても本にしてもありとあらゆるものから、いつも刺激を受けて色んなものからインスピレーションというものを受けると思うし、そういった食わず嫌いじゃないけど選り好みせずにね。色んな物を見るっていうのはやっぱりすごくアーティストにとって大事かなと思うよ。

主役はアナタ! 驚異のFPSムービー『ハードコア』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=kk43mjO-T24 [リンク]

―スバリ!監督は自分でこの映画を作っていて酔いませんでしたか?

イリヤ監督:撮っている時に別に酔いはしないんだけど、軟弱なことに三半規管が弱くてね(笑)。車に乗りながら携帯いじったりできないくらい酔いやすい性質だったんだよ、そもそも。ただこれを何十時間ものステージを撮って、テストイン撮って、スクリーンに映して300回くらい見て、三半規管がどうやら鍛えられたらしくて(笑)。今ではへっちゃらで、車乗りながら全然本とかも読めるくらいになっちゃった! でもただあくまでも観客の立場に立って自分もあんまり気持ち悪くならないように、酔わないようにというのを意識しながら撮ったのは事実。だから逆に最初から全開のスピードで、とにかく速いテンポで走ったり。ブレも激しいし、酔いやすくなると思うから、そういった点では比較的ゆるやかなテンポから始まるかな。徐々に加速していくという。その構成自体もちょっと頭に入れた上で作ってというところもあるんだ。

ただ一応警告しておくと、なるべく映画館で観るときは最前列の3列には座らないようにということ。水に濡れるライドでスプラッシュゾーンと呼ばれる水がぶっかかる3列の感じ!(笑)。ちょっと危険かな。なるべく後ろで観ましょうねと。

―最後に作品の見所を日本の映画ファンにむけてアピールお願いいたします!

イリヤ監督:これはやっぱり映画館の大スクリーンで観るように撮った映画なので、ぜひ映画館に足を運んで大スクリーンで体感して、堪能してほしいと思う!自分も実際すごく楽しんで作った映画なので、自分が楽しんだ半分でも楽しんでもらえればというくらいの気持ちだよ。たくさんの人に観に来てほしいと思う。特にビデオゲーム好きのゲーマーたち、そしてアクション映画が大好きな人にはおすすめの映画となってるよ!今までこの2つのグループに関してはこの映画でがっかりしたというコメントは聞いたことがないから、絶対満足してもらえると思うよ!ぜひ映画館でご覧ください!

―今日は楽しいお話をありがとうございました!

最後に「俳優か?!」と思うほどイケメンなイリヤ監督のお写真をご覧ください。

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おいおい、イケメンすぎるだろ……?!

『ハードコア』
http://hardcore-eiga.com
4月1日(土) より、新宿バルト9他全国ロードショー
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