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【悲報】日本文学振興会が朝日新聞広告にてアニメをダシにして文学を褒める

2016/07/21 00:30 投稿

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2016年6月20日の朝日新聞朝刊に掲載された日本文学振興会の広告が「アニメを馬鹿にしているのではないか?」と物議を呼んでいる件についてお知らせします。

日本文学振興会のキャンペーン『人生に、文学を。』

この広告は、日本文学振興会(文藝春秋の役員を中心とした公益社団法人)による『人生に、文学を。』というキャンペーンのものです。
以下に新聞広告と同じキャンペーンサイトがありますので、そちらを見てみましょう。

■人生に、文学を。
http://www.jinsei-bungaku.jp/

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(※画像は上記サイトトップページより)

文学を知らなければ、目に見えるものしか見えないじゃないか。
文学を知らなければ、どうやって人生を創造するのだ(アニメか?)

この広告の文章に違和感を覚えた人たちの間で、物議をかもしています。
以下、主だった指摘を見ていきましょう。

批判、指摘の数々。

多くの方が指摘していたのは「アニメを引き合いに出す必要はあったのか?」「目に見えないものを描いているのは文学だけではないのですが?」という点でした。


「人生に、文学を」https://t.co/3uyd30q26y 趣旨は結構だが、「文学を知らなければ、どうやって人生を想像するのだ(アニメか?)」というフレーズには若干の愚かしさがにおう。アニメや映画の中にも文学を見つけ出す視線こそ「人生に、文学を。」の実践ではないか?— 藤津亮太 (@fujitsuryota) 2016年7月20日


なんか上手くないコピーだな…アニメへのメタで書くにしても(アニメか?のとこは、わざわざ足さなくていいと思うし、付け足すことでコピーが言ってる想像力を説明しちゃってて残念賞想像力働かせろってんなら、『人生に文学を』の一文でいいんじゃないの— 星野 貴紀 (@Shockhearts777) 2016年7月20日


「人生に、文学を。」のリード文が残念なことに。あそこでアニメを見下してみせる(ように見えたんだけどね)のは筋違い。せっかくの予算と根回しを積み上げて、それで公式サイトの導入文があれだったら、文学にとってほんとうに残念なことだと思います。あの文章にOK出したのはだれなんだろう。— 千野 帽子『オリンピック』角川文庫発売中 (@chinoboshka) 2016年7月20日


前2RT:この件、もう大勢言及されているけど。目に見えないものを描いているのは文学だけじゃないし(アニメだってそうだ)、他ジャンルを貶めなくても文学を称揚することは十分できる。なんというか、つくり手の決定的な想像力の欠如をさらけ出していて、逆効果なこと甚だしい…。— 橋本麻里 (@hashimoto_tokyo) 2016年7月20日

一般人はもちろん、上記の通り藤津亮太さん(アニメ評論家)や星野貴紀さん(声優)のようなアニメ関係者からも、文筆家の千野帽子さんや橋本麻里さんなど文学畑の関係者からも指摘をされています。

また、エディトリアルデザイナーのほうとうひろしさんやコラムニストの小田嶋隆さんは、このプロジェクトに賛同する多くの有名企業について疑問を呈しています。


この 『(アニメか?)』 を含む俗悪な広告文案に、どうしてこれだけの企業が賛同を寄せているのか、意味がわからない。この人たちの言う「文学」というのは、日本語の文章を読解する力とは無縁な何かなのだろうか。https://t.co/v8kW69TNMN— 小田嶋隆 (@tako_ashi) 2016年7月20日


電通さんは近年、クールジャパンとやらで、アニメ周辺文化を無批判的に持ち上げたと思いきや、この度は、酷い貶め方をなさる。協賛企業40社は、この酷い「アジ文」に納得して、企業名を晒しているのかなあ? 僕の想像力じゃ解らなかったよ。 pic.twitter.com/zTYZou6TwI— ほうとうひろし (@HiroshiHootoo) 2016年7月20日


記者の総論。

このプロジェクトの主体となっている日本文学振興会は、芥川賞や直木賞など各種文学賞の選考や告知を行っている組織です。

コピーの最後にある、下記の全然文学的でない説明文からも『人生に、文学を。』が芥川賞と直木賞の、ひいてはそれらを受賞する本の宣伝であることは明らかです。

繰り返す。人生に、文学を。
(一年に二度、芥川賞と直木賞)

かつては日本を代表するメインカルチャーだった”文学”が、アニメをダシにした全然文学的でないキャッチコピーで芥川賞や直木賞の宣伝をする時代になってしまった、という、悲しい出来事でした。

■公益社団法人 日本文学振興会
http://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/

※新聞の写真とWebサイトのスクリーンショットは記者の撮影によるものです。
※Twitterからの引用はガイドラインに即して行っています。

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