石川善樹『友だちの数で寿命は決まる 人との「つながり」が最高の健康法』を読み上げました。
ハーバード大学で学んだ予防医学の研究者である著者が、ひとの寿命はいかにして決まるのかについての最近の研究成果を紹介した一冊。
著者によると、実は運動不足だとか血圧といった要素だけでは「病気の引き金」を説明しきれないのだとか。
たとえば、心臓病の危険を高めるリスクファクターはいままでにいくつも見つかっているけれど、それらすべてを足し合わせても心臓病の発生の半分も説明できないといいます。
そう、何か病気の原因となる「サムシング」があるはず――そして、この本のテーマである「つながり」こそが、その「サムシング」なのだ、と話は続きます。
あなたはたぶん喫煙がからだに悪いことを知っているでしょう。
一部には頑固に認めたがらない向きがありますが、いまでは大半の人が喫煙の害を承知しています。
しかし、著者が説明するところでは、孤独は喫煙よりもからだに悪いのです。
これは著者がかってにそう主張しているわけではなくて、ブリガム・ヤング大学のトランスタッドという研究者の研究によっています。
「メタアナリシス」という手法を駆使したその研究によれば、「お酒を飲みすぎない」とか「からだを動かす」といった要素よりも、「「つながり」があるかどうか」のほうがはるかに大きく健康に影響していたらしい。
ちょっとにわかには信じがたい話ですが、「つながり」の多寡は健康にダイレクトに影響を与えるのです。それも、喫煙や運動といった一般に知られている要素以上に強く。
論理的にいって、あなたが長生きしたかったら、たばこをやめたり運動を始めたりするより前に、友達を作ることが有効だということになります。
「嘘だろ?」といいたくなるところですが、れっきとした複数の研究によって導き出された法則なのです。
ほかにも、寿命と「つながり」に関しては次のようなことがいえるといいます。
・「つながり」が少ない人は死亡率が2倍になる。
・同僚があなたの寿命を決めている。
・「つながり」が単調な男子校出身者は早死にする。
・お見舞いに来てくれる人の数で余命が変わる。
・女性が長生きなのは「つながり」を作るのが上手なことも関係する。
・たくさんの「つながり」を持つほど長命である。
・「つながり」が幸せ感を高めてくれる。
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