弱いなら弱いままで。

幸せとは「心の境界線」の内側の問題である。

2014/11/26 14:47 投稿

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 「必要なものはここにある、大富豪バートが小さな家を選ぶ理由「Tiny House of Burt’s Bees」」と題する記事を読んだ。


 小さな家で質素な生活を送る大富豪の話である。こういう話を読むと、「人にとってお金とは何だろう?」と考えさせられる。

 金銭はすべてをあがなえるように思える――が、それは幻想だ。じっさいには、お金で買えるのは市場で売っているものだけだ。愛も買えない。幸せも買えない。

 そんなことはない、という人もいるだろう。たとえば高級ブランドのバッグを買うことが自分の幸せなのだ、とか。

 しかし、それは結局、それがなければ幸せにはなれないというある種の思い込みではないだろうか。ほんとうは幸せになるためにはモノは何もいらないのではないかと思う。

 思考実験として、世界をふたつに分けてみよう。自我の境界線(ATフィールド)の内側(自分)と外(世界)だ。自分の心以外すべてのものは、この境界線の外側にある。

 そして、幸せとはあくまで内側の問題でしかない。よって、幸せは境界線の外側の問題によっては決定しない。あくまで内側が重要なのだ。

 大富豪になろうがすべてを失おうが、変わるのは自分の外部であって、「自分が自分であること」には変わりがないということ。

 そして幸せが境界の内側の問題なのだとすれば、その外側をどんなに飾り立てたところで意味はない。ほんとうに幸せになるために必要なことは、自分の内面を豊かにしていくことなのだろう。

 きれい事だろうか? たしかに自分の心の内側と外側は常に情報が行き来しているわけで、心の外側があまりに喧騒に満ちていたら、心の内側を穏やかに保つこともむずかしいだろう。

 また、心の外側が過剰な刺激にあふれているのに、感性を麻痺させずにいることは大変かもしれない。心を安定した状態に保つために心の外側を調整することは大切なことだ。それなくして心を幸せにしつづけることは、やはりたやすくはない。

 ただ、それはひたすらにモノを充実させていくということではない。そのやり方は方法論的に間違えているのだ。

 その意味で、小さな家に住む大富豪の話はよく理解できる。幸福に過ごすために必要なものは何なのか、自分の頭で考え、自分の心で決めること。それができなければ、どんなに財貨があっても、心はむなしいばかりに違いない。

 小さな家に住むことが幸せなのではない。かれが幸せになるために必要だと考えたものが、小さな家と静かな土地だったということなのだ。

 幸せになるためにはどうしても大豪邸が必要だと考える人もいることだろう。しかし、 

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