石田衣良の『池袋ウエストゲートパーク』が文庫版でも全十巻の完結を迎えた。しばらく間をおいてさらなる続刊が出る予定はあるらしいが、ひとまずは長い物語もここで幕をとじたわけだ。
ぼくは長年の愛読者なので、この作品が終わってしまったことには一抹の寂しさを感じる。出会いがあれば別れがあるとはよくいうが、可能ならマコトやタカシたちとはいつまでもいっしょに時を過ごしていたいと思っていたのだ。
この小説にはその時代時代の空気がみごとに刻印されている。石田衣良の全作品のなかでも、特別なポジションにある作品だといえるだろう。
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