嫌われる覚悟~ほんとうの嫌われない技術~ (マイナビ新書)

 ひとに嫌われることは辛いものだ。リアルではもちろんだし、ネットですらそうだ。それを悪意と呼んでいいかどうかは微妙だが、少なくとも気分がいいものではないだろう。

 しかし、そうはいっても、ネットでアクセスが多くなると、いちいちひとに好かれているの嫌われているのと気にしていられないことはたしかである。

 10000人読者がいれば、その全員が好意的だということはありえない。自分の書くことを好きなひともいれば嫌いなひともいる。それが当然で、そもそも全員に好かれる必要はまったくないのだ。

 Amazonを見ていると、レビューの数が多くなると、名作中の名作といわれる作品ですら、必ず星ひとつの最低評価を下しているひとを見かける。ひとの価値観はそれだけ多様だということで、これはもう、どうしようもないように思う。

 そうかといって、積極的に嫌われることを目指す必要も、もちろんない。なるべく好感がもてる書き方をするよう気を付け、その上で嫌われてしまったら従容とそれを受けいれるというあたりが正しいのではないか。

 ただ、悪意あふれるメールなどが届くとさすがにうんざりするし、いったい何がこいつをこうさせるのかと疑問に思うわけだが、それで全体を判断できないこともたしかだ。

 悪意あるコメントやメールなどを見ると、それだけでなんだか世界中から嫌われているような気がすることがあるが、それはやはり錯覚である。