【有料記事】伝説の暗黒超傑作『ブライトライツ・ホーリーランド』を語る。(4019文字)
この文章は10年ほど前に書いた記事に現在の視点で加筆修正したものです。その旨、ご了承の上、お読みください。
サイバーパンク──それは20世紀終盤の1984年、ウィリアム・ギブスンが物したSF長編『ニューロマンサー』の成功を皮切りにして始まった80年代SF界最大のムーヴメントである。
本書『ブライトライツ・ホーリーランド』はそのサイバーパンクの作品史に新たな呪われた一頁を刻む古橋秀之の最高傑作、かれの異端の才能が世に産み堕とした黒く黒く黒い黙示録的傑作だ。
本書を読むものは過剰に圧縮されオーバーフローを起こした情報の官能性に理性を吹き飛ばされ、嵐のごとく吹き荒れる怒涛の言葉のなかで溺死しかけることを代償に、至福と陶酔の桃源郷へと導かれる。
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