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 先日、漫画『神のみぞ知るセカイ』が完結しました。いやー、素晴らしかったですね! 過去編が終わると同時に連載そのものも終わると聞いた時には、正直どうなるかと思ったんだけれど、予想を超える神エンド。今年の漫画ナンバー1は決まりかも。

 ネットの感想を漁ってみたところ賛否両論はあるようですが、ぼくのなかでは神作品決定なので、何の不満もありません。

 しかし、この作品について語るとなると、どうしてもネタバレせざるをえないわけで、以下、大々的にネタバレします。非常に致命的な内容を含んでいるので、単行本で読んでいるひとは最終巻が出てから読んでください。ネタバレを踏んで後悔しても責任は取れませんよ。

 オーケー? じゃ、書くよ。まず、この最終回で賛否を呼ぶのは、何といっても「桂馬がひとりの女の子を選んだ」というこの一点に尽きるでしょう。

 しかも、その相手はちひろ。これはもう、すばらしいとしかいいようがない作者の英断であるわけですが、やっぱり批判もあるとは思う。

 まず第一にあるひとりのヒロインを選ぶということはほかのヒロインのエンドを切り捨てることに繋がるわけで、当然、ほかのヒロインのファンは面白くない。

 第二に、物語がラブコメにフォーカスした結果、マクロ的な設定の数々はほとんど描かれずに終わったわけで、そこに着目していた読者は半端な印象を受けるかもしれない。

 しかし、これはそういった読者の批判を覚悟した上で、切り捨てるべきものを切り捨て、選ぶべきものを選んだ偉大な結末だと思う。

 そもそも、ここ十数年くらいヒロインの数が肥大化する一方のハーレムラブコメは、前述の理由によってひとりのヒロインとの結末を描くことができなくなっていました。

 作者にしても、ひとりを選ぶとどっかから非難が飛んでくるので、どうしても「これからも騒動は続いていくのです」的な、だれともくっつかないエンドに落ち着いてしまうわけです。

 でも、やっぱりこれは何の決着にもなっていないわけで、納得がいかないんですよね。そこらへん、LDさんあたりに云わせると、あだち充あたりから延々とつながっている流れがあるそうなのですが、まあ、それは長くなるから割愛。

 アニメ版の『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』あたりは、この「未完結エンド」でした。まあ、これはハーレムラブコメの構造的な問題で、仕方ない一面もあります。

 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のような、タイトルの段階でメインヒロインが決定している擬似ハーレムスタイルのラブコメだとそれでもメインヒロインにフォーカスできるんだけれど、そうでない場合、ひとりを選ぶことの論理的根拠が乏しくなってしまうんですね。

 最近だと、やはり『魔法先生ネギま!』の例が思い浮かびます。『ネギま!』では、どうやら最終的にはひとりの女の子を選んだと思しいのですが、そのひとりがだれなのかは省略されてはっきりとは描かれなかった。

 その意味では、やはり『ネギま!』も「壁」を突破しきれていない印象を受けました。主人公がひとりを選べないという「壁」。しかし、この「壁」を打ち破らないかぎり、ほんとうの意味で物語が完結したとは云えなくなってしまいます。

 で、『神のみ』はついにその「壁」を突破したわけです! これを凄いと云わずして何と云おう。いくらハクアファンやら天理ファンが怒ろうとも、ぼくは断然、支持しますね。

 作者の判断は正しいと思う。ここからまたちょっとハーレムラブコメの流れも変わっていくかもしれません。じっさい、最近、