プロ野球「衝撃の昭和史」 (文春新書)



【夢のそのあと】

 先日、たまたまテレビをつけていたら、プロ野球選手たちの「その後」を描いたドキュメンタリー番組が流れて来ました。

 何気なく見ていると、なかなかおもしろい。ついつい食い入るように視聴してしまいました。というのも、引退後の選手たちの人生が、ひとしなみに「壮絶」なものだったからです。

 ぼくなどは特別大きな夢を持って生きているわけではありませんが、現役の野球少年たちや、かつて野球で汗をかいたすべてのひとにとって、プロ野球はまさに「夢の職業」でしょう。

 ところが、この番組は、その夢を達成したはずの人々が、そのあと必ずしも楽な人生を歩んでいないさまを撮っています。

 プロ野球という多くのひとがあこがれるスポットライトのなかに一度は立った人々でも、「そしていつまでも幸せに暮らしました」とはいかないようなのです。

 この番組を見てぼくはつくづく考えました。そうか、夢に挫折する