【あるひきこもり青年】
池上正樹『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』読了。あいたたたたた。胸が痛い。
あるひきこもりの青年が生活保護を得て自立への一歩を踏み出すまでを描いたドキュメンタリーなのですが、その青年「M君」の描写が辛すぎる。
決して悪意で書いているわけではないのだけれど、M君のコミュニケーション能力の低さとか、すぐパニックに陥る性格とか、まるで自分のことを見ているようできつかった。
まあさすがにぼくはここまでじゃないな、とも思うのですが、決して他人ごととして見れる内容じゃない。
ぼくも何かが一歩違っていたらこうなっていたかもしれない、いや、こうなっていたに違いないと思うと心が痛みます。
この「物語」の主人公、M君は「君」とはいっても40代なかばの男性です。しかし、かれには社会人としての経験はほとんどありません。
20年以上も前に就職活動に失敗して以来、ほとんどの時間を家にひきこもって暮らしてきたのです。
しかし、それもどんどん限界に近づいていきます。ふたりぐらしの母との生活は経済的にも楽ではなく、何よりいい歳をして母から自立できないことは何とも情けない。
自分は価値がない、死んでしまいたいと思いながら、そうすることもできない日々。
そんな針のむしろの暮らしが延々と続いたあと、あるときM君は(おそらくは一念発起して)新聞社に一本の電話をかけます。その電話をきっかけに、著者とM君の関係は始まるのです――。
【交流能力の研ぎ方】
先ほど「痛い」内容だと書きましたが、
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