タイタニア4<烈風篇> (講談社ノベルス タK- 32)



『タイタニア』復活!】

 田中芳樹の『タイタニア』最新刊を買って来ました。買って来ました買って来ました買って来ました……と、思わず語尾がこだましてしまうくらい感慨深い

 なんと22年ぶり!の最新刊です。そのあいだ出版社も変わり、挿絵も変わってしまったわけですが、とにかく続刊したことは快挙です。素晴らしい。

 ぼくは中高生の頃、この小説が好きで好きで。当時の『ファイナルファンタジー3』のキャラクターにアリアバート、ジュスラン、ザーリッシュ、イドリスというタイタニア四公爵の名前をそのまま付けていたことを思い出します。

 さっそく読んでしまうか――と、お菓子と飲み物を用意して(!)読みはじめたのですが、だ、だめだ、もったいなくて読み進められない

 この感覚は実にひさしぶり。「ほかにもいくらでも傑作はあるよ」などとたわけた戯言を云う気にはとてもなれません。

 世の中にどんなに傑作があるとしても、『タイタニア』は一作だけなのですから。

 思えば少年時代のぼくがどんなに『タイタニア』や『アルスラーン戦記』の続刊を楽しみにしていたか。

 その後、娯楽は世にあふれ、お金を使うこともできるようになり、『ファイナルファンタジー』の新作を入手しても一週間でやめてしまうような心の持ち主になりはててしまったわけですが、それでもこうして『タイタニア』の新刊を前にすると、一気に時間を逆行して一作一作が歓びに満ち満ちていた少年のあの日に還るかのようです。

 前巻は、盤石かと見えた