ぼくはこのアニメシリーズは追いかけていないんだけれど、とりあえず原作ファンとして最終回くらいはチェックしないといけないだろうと。
以下、ネタバレあり。
いやー、キスしていますね(笑)。大筋では原作通り。ただ、原作ではラストシーンのキスは口にしていたんだけれど、ほっぺたになっている。
これはこれでまあ納得いく改変だと思います。本筋に影響があるわけじゃないし。
まあ、原作における最終巻の評価の争点は、ひとつにはライトノベルという青少年向けエンターテインメントの現場において近親相姦のタブーといかに向きあうか、という点にあると思います。
で、原作は 「まあ、ここしかないよな」というポイントを攻めてきているというのがぼくの評価です。
そしてアニメも大筋でその流れを踏襲しているようです。
ひょっとしたらオリジナルエピソードを用意しているかなー、とか期待していたんですが、それはなかったようですね(ただし、僕は最終回しか見ていないのでそれまでの流れはわかりません)。
原作と同じように京介と桐乃は、ふたりだけの結婚式を挙げ、キスしたあと、兄妹に戻ります。
関係性のリアリティという意味では、「そんなこと、できるわけないだろ」としか云いようがない結末ではあります。
だって、いつも同じ家に住んでいるわけです。
火がついた導火線を放置して「まわりに迷惑がかかるから爆発させることはやめよう」と云っているにひとしい無理さだと思います。
そんなの、我慢できるわけねえだろうと(笑)。
もし我慢できるとしたら、しょせんそれだけの恋心だったということですよね。
仮に我慢できるとしても、少なくとも苦悩くらいはするでしょう。しかし、京介たちにはそういう気配がまるでない。
まあ、メロドラマじゃないんだからそれでいいんだけれど、不自然と云えば不自然です。
でも、作者にとってはこれしかありえない結末であることもたしかでしょう。
ここより先に進んだら、どうしても近親相姦のタブーにふれることになるし、桐乃と京介は不幸になる。
しかし、ここより前で留めておいたら、いかにも甘い。
そういうわけで、作者にとってはこれが考えられる唯一の「正解」だったと思うのです。
『ホワイトアルバム2』みたいに、たったひとつの恋のためにほかのすべてを犠牲にして修羅の道を往くというエンディングは、基本的にラブコメディである『俺妹』にはあまりにもふさわしくありません。
もちろん『ホワイトアルバム2』はあれはあれで大好きなんだけれど、『俺妹』はこれでいいんじゃないかと思うんですよね……。
ぼくとしては、原作にも、原作を尊重したアニメにも、最高の評価を送りたいところです。
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