さて、何を書きましょう。いま、時は深夜の二時、草木も眠る丑三つ時、世界は深々と寝しずまり、数時間後にやって来る覚醒の朝を待ち望んでいるようです。
もちろん、街場ならコンビニは営業していますし、レンタルビデオショップも、ラーメン屋も、ファミレスも、やっているところはあるでしょう。
また、云うまでもなく不眠の自動販売機たちは24時間営業です。だから世界が寝しずまっているなどと云うことはいかにも誇大な表現なのだけれど、それでもこうして寂しく地方都市の夜に目覚めていると、世界はもう眠ってしまったのだ、と思えて来ます。
あたかもほんとうは何もかももう亡び去ってしまったよう。眠っているのではなく、死んでいるよう。
当然、あと何時間かすればふたたびすべての喧騒と混乱と日常があたりまえの顔をして戻ってきて、いつもの生活が始まるわけですが、その頃、ぼくはこの街を離れ、東京にいることでしょう。21世紀のいま、なお、この街の夜はどこまでもしずかです。
往古、夜は思索の時間でした。詩人も哲学者も王侯も、夜になれば新たにやることもなく、自然、沈思黙考に耽るよりほかなかったでしょう。
現在のぼくたちにはインターネットがあり、真夜中にもほかの目覚めている人々と会話を交わすことができます。
しかし、今宵は古の賢者たちに倣い、だれかとつながるのではなく、ひとり、考えにひたってみましょう。何か良いことが思い浮かぶかもしれません。
とはいえ、ぼくが考えることなど、精々、冬のコミックマーケットでは何か本を出したいな、という程度のことなのですが。
きょうから夏コミが始まるわけですが、ぼくは夏コミには不参加の予定です。暑いですからね。迂闊に参加したら熱中症で倒れてしまう。
ただ、冬には可能なら参加したいなあ、と思っていて、何か本を出そうかと考えています。どんな本になるかはまだ未定ですが、シリアスな評論(というか何というか)はもうある程度やり切って疲弊したので、二次創作小説本とかいいんじゃないの、と思っているところです。
ひとりでやるのもいいけれど、今回はちょっとひとを誘ってやってみようかな、と。あとまあ、いまから分厚い本を作るのは大変なので、薄い本にしたいなあ、とも思います。
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