小説道場

 ここしばらく、ほとんどネットには出没せず、ひたすら沈黙を守っていたのですが、そのあいだ遊んでいたかというと、そうでもありません。じつは小説を書いていました。

 いま、やっぱり遊んでいたんじゃねえかと思われた方、まったくそのとおり。じっさい、四六時中、文章を書いては読み返しているので、仕事をしているような気分になってしまいましたが、現実には遊んでいるだけなのでした。これが仕事になるようならいいのですけれどね(そうでもないかな)。

 とにかく、文字を書くという一点においてブロマガ掲載の文章も小説も何も変わらないのです。むしろ手間は小説のほうがはるかにかかっているといっても過言じゃない。

 何しろ長い。短編を書く技術がないので長編を書いているのだけれど、なるべく短くまとめようとしたにもかかわらずやっぱり250枚~300枚くらいには到達しそうです。

 これだけの長さになると、読みかえすだけでもけっこう大変。ただでさえ自分が書いた小説なんて客観的に読めないのに、読めば読むほど何が何やらわからなくなってきます。

 きっとこのゲシュタルト崩壊を乗り越えた者だけがまともに読める作品を書き上げられるのだと思う。ぼくはいつも途中で挫折してしまうわけですが……。

 文章力向上のためにはひたすら「実験」をくり返し、さまざまな書き方を試してみるのが遠回りのようで近道なのですが、基本的には小説もこのトライアル&エラーで上達していくことができると思います。

 そういう意味では小説書きも必ずしも才能がすべてではない。努力は役に立つ。一作書き上げ、その作品に何が足りなかったのか、どうすればいいのか検証すればつぎからは確実にレベルアップすることでしょう。

 ただ、小説では一回のトライアル&エラーの間隔がどうしても長くなってしまうわけで、ここが小説を書く大変さなのだろうなあ、と思います。