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宿命と確執のゴッホ兄弟! 穂積『さよならソルシエ』が天才画家のイメージを塗り替える。(1004文字)

2013/05/21 09:53 投稿

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  • さよならソルシエ
さよならソルシエ 1 (フラワーコミックス)

 フィンセント・ファン・ゴッホの名前を知らないひとはいないだろう。『ひまわり』などの名画で知られる天才画家だ。生前はまったく評価されず、最後には狂気に捉えられてピストル自殺したことでも知られている。

 それでは、テオ(テオドルス)・ファン・ゴッホのことはご存知だろうか。こちらはフィンセントに比べれば知るひとは少ないと思われる。生涯にわたって孤独な画家を支えつづけた画商の弟だ。

 穂積『さよならソルシエ』はこのテオを主人公に据えた長編漫画。穂積といえば、短篇集『式の前日』で話題をさらい、いっきに漫画読みに知られるようになった作家だ。

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穂積

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 その穂積の初めての長編がどのようなものになるか、期待していたひとは多いだろう。しかし、ゴッホ兄弟、それも弟を主役に据えるとは!

 いままで兄フィンセントを描いた漫画はあっても、弟テオに着目したものはないのではないか。これだけでもう、面白そうだ。

 しかし、穂積描くテオは、そしてフィンセントも、ほぼオリジナルキャラクターといっていいほど史実からかけ離れている印象を受ける。ぼくはゴッホ兄弟に詳しいわけではないが、さすがにこれは漫画家の創作だろう、と思われるエピソードが多い。

 

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