ぼくは少女漫画だろうがティーンズラヴだろうが普通に読む人なのであまり実感がわきませんが、ほんとうだとしたらいかにももったいない話。
少女漫画と呼ばれる領域にも、男性が読んでも楽しめる作品はたくさんあるのです。そういうわけで、きょうは『Landreaall』の話。
ぼくはこの漫画、大好きなんですが、いまのところ「知るひとぞ知る」作品には違いありません。
すでに単行本も20巻を超え、多数の固定ファンを持ってはいるはずなのですが、いまどきめずらしい純粋なファンタジー漫画ということもあってか、熱心なファン以外にはあまり語られることがないように思えます。
そこで! この記事ではこの作品の魅力を語っていきたい。いやー、面白いんだよ。
『Landreaall』はおがきちかによる長編大河ファンタジー漫画です。主人公はアトルリア王国の王族の血をひくDX・ルッカフォート。
かれがある理由で「竜退治」の冒険を行うところから物語は始まります。ドラゴン退治! いかにもファンタジーというテーマですね。じっさい、DXは冒険の末に宝剣を手に入れて火竜を倒します(正確には違うけれど、まあいいや)。
ここまではまあ、あたりまえのファンタジー漫画といってもいい。『Landreaall』が真価を発揮するのはここからで、この漫画、何とここから学園ものになってしまうのです。
竜退治を成し遂げたあと目的を失ってしまったDXは王立学校(アカデミー)に入り、さまざまなことを学んでいくことになります。
そこでかれを待ち受けていたのはおそらくは生涯の友となるであろう学友たちとの出逢いと非情な陰謀。それらの陰謀をかいくぐったり時々は他国へ飛んだりしながらも、DXは少しずつ成長していきます。
そして、そのうちにかれの視界には「王」という地位が見えてくるのです。はたしてDXはアトルリアの王になるのか? どうなのか? 物語は連載10年を超えて、なおいっそう盛り上がっているところです。
さて、この作品の特色といえば、伏線の妙があることでしょう。ただ絵が綺麗だったり可愛かったりするだけの作家なら大勢いますが、おがきさんはとにかく「物語」を組み立てることがうまい。
何気ない台詞のひとつひとつ、さりげなく提示された小道具などが、巧妙な伏線となり、のちの展開を導いていく素晴らしさは、いくら称賛しても足りません。
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