今週号の『少年マガジン』で森川ジョージ『はじめの一歩』が連載1000回目を迎えました。連載は一歩のかつてのライバルにして親友、ヴォルグの世界戦に差し掛かっており、長い長い物語もようやく終盤に近づいているのではないか、と思わせるものがあります。
しかし、同時に、まだ使用されていない伏線が多数残されていることから、この先、どんなに早くてもあと20巻で終わることはないと思われます。あと50巻で終わるかどうかも怪しい。いくらなんでももう100巻ということはないと思いますが……。
揶揄しているように見えるかもしれませんが決してそうではありません。じっさい、ぼくは『はじめの一歩』という漫画はいまでもおもしろいし、魅力的だと思っています。しかし、なまじおもしろいからこそ不満が生まれることはどうしようもない。
特に連載の長期化に伴って展開が極端に遅くなっているように思えることには、大きな不満を抱いています。ヴォルグの試合なんかていねいに描いていたらほんとうにあと100巻かかってしまいますよ? そう思わずにはいられないのです。
一般に長く続く漫画では、あとの方になるほど展開が遅くなっていく傾向があります。これは単純な理由で、後になればなるほど登場人物が増え、展開が複雑化していくからです。『ONE PIECE』を読んでいればこのことはよくわかるでしょう。
初めはルフィだけを描いていれば良かったものが、しだいにゾロやサンジや、ほかのキャラクターまでも描きこまなければならなくなっていく。そしてしだいに展開はスローダウンしていく。これは物語の構造上、必然的なことであり、積極的に手を打たないかぎり必ずそうなるのだとすらいえます。だから『HUNTER×HUNTER』では長期間にわたってクラピカが登場しなかったりしたんですね。
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