その道のプロが集めた「話のネタ」秘ノート

 さて、書くことがなくなりました。まだ何冊か読んでいて取り上げていない本などもあるのだけれど、ふしぎと取り上げる気になれない。たぶんいまはそれについて語る正しいタイミングではないのでしょう。

 さてさて、どうしましょうか。先日にも書いたと思いますが、基本的にぼくは「ネタ」がなくなって書けなくなるということはないと考えています。

 ブログの良いところは書くことがなければ書くことがないということを、落ち込んでいれば落ち込んでいるということを書けばいいという点にあると考えているからです。いやまあ、落ち込んだ時に落ち込んでいることを書くと、その負の感情が伝染していくから良くないのだけれど。

 聴いた話によると、プロのライターさんなどにとっても「ネタ切れ」は深刻な問題で、年間数千枚の原稿を書いていると数年くらいで消耗してしまうといいます。

 しかし、それはライター業がある程度、「こういうものを書かなければならない」というカセがある仕事だからそうなるのであって、文字通り何を書いてもいいブロガーには「ネタ切れ」などというものは無縁なものだと思います。ほら、もう十数行埋まった(笑)。

 そうはいってもただ文字を埋めるだけではダメだ、内容が面白くなければならないだろう、と考えるでしょう? でも、ブロガーの場合、最優先の課題は「書くこと」であって、内容を精査しているヒマがあったらとりあえず書くべきだと思うのです。

 もちろん、お金をもらっている仕事である以上、記事に一定以上のクオリティを求められる現実は存在します。しかし、そのクオリティを判定するのは読者であって、書き手自身ではないことも事実。

 ようはチャンネル会員が満足するような記事を書ければそれで良いのであって、自分で「こんな記事はつまらないだろう」と判定して切り捨ててしまうより、まず書いてしまって、その上で読者の判断を待つほうが良いのではないか、とぼくは思います。

 書けば面白くなってくる可能性はあるし、自分でたいして面白くないと思っていた記事でも、案外、好評を受ける可能性はある。というか、ぼくの場合、自分でクオリティの判断をしていたら書くものがなくなってしまうw 「ぼくが書いた程度のものでお金をもらうなんて傲慢だよね」という話になってしまうのです。

 しかし、ようするに読者に受ければ何でもいい、受けなくても特に問題はない、と思えば、書けることは増えてきます。そういうふうに考えると、地方在住、経験なし、技能なしでもできるブロガーという仕事はぼくにとってやはり魅力的です。

 いや、ほんとうはそうではない、それなりの経験と技能を必要とするのだろうけれど、少なくとも履歴書に書くような資格はまったく必要ない。ようするに読者が読んで楽しめればすれば何でも良いのです。そこにブロガーの栄光と悲哀のすべてがあります。