グイン・サーガ外伝7 十六歳の肖像

 栗本薫『グイン・サーガ』全巻が電子書籍化されたことを記念して、早川書房が全巻半額キャンペーンを行っているそうです。開催期間は昨日から月末まで。半額というけれど、文庫版に比べるとさらに格安で、各巻200円で入手できます。

 長大な『グイン・サーガ』全153冊(本編130冊、外伝23冊)がわずか3万円強で手に入ってしまう計算になるわけで、お買い得というほかありません。いや、ほんと、素晴らしいですね。

 『グイン・サーガ』については、ぼくは縁あって文庫版の解説を書いたりしているくらいのマニアなので、あまり客観的に見れません。いや、技術的な問題の数々はわかっていて、特に後半の冗長さは否定できないところなのですが、それでもおもしろいものはおもしろいのです。

 というのも、ぼくが『グイン・サーガ』で最も高く評価しているのはその物語の波瀾万丈「ではない」からなのです。ぼくにとって『グイン・サーガ』がスペシャルな作品となったのは、その思想というか、価値観の深みにこそ理由があります。

 ぼくとかペトロニウスさん(http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/)のようなガチガチの小説マニアが、この作品に惚れ込んでいるのは、何もそのストーリーテリングが天才的にうまかったからという理由ばかりではない。