mappa のコメント

 「契約弱者」という言葉で「Fate/stay night」の衛宮士郎を思い浮かべた。四郎は生きる理由を外部から埋め込まれて(天から授けられたわけでもないからコーリングとも異なる)それに盲目的に従っている。そのため呼び出したセイバーは最強クラスであるものの「契約(魔力)弱者」たる四郎がマスターなのであまり力を発揮できない。その四郎と似ているようで全く異なるのが遠坂凛。彼女も四郎と同様に生きる理由を外部に与えられた(凛の場合は家・血筋)がそれを与えられたものとは解釈せずに自ら選び取ったものだと考えている。彼女が契約したセイバーは四郎が契約したセイバーとは異なり、正に最強の名に相応しいステータスを誇っている。両親の溢れる愛と厳しい教育の元で育ち、自分の運命を決して呪うことなく自ら選んだものと確信し、長期間訓練を積み続けてきた遠坂凛は光属性でありながら契約強者という非の打ち所のないヒロインである(もし肝心な所でポカをやらかすという欠点がなかったらさぞ可愛げのないキャラクターになったことだろう)。
 
 衛宮士郎で書き始めたはずなのに、別段遠坂凛が好きなわけでもないのに彼女を褒めまくっている文章になってしまった。

 四郎に話を戻すと、最初は契約弱者だった四郎が強者になった契機はぼんやりとした「正義の味方」への憧れを「借り物ではあっても嘘じゃない」と過去の自分に宣言したこと。これも凛同様に与えられたものを再度主体的に選び直したと考えられる。

 「Fate/stay night」から「他者を愛することができない人(闇属性・契約弱者)は幸せになれない」問題を考えると、自らの過去を主体的に捉えることで人生をポジティブなものにする、という解が出てきてしまった。びっくりするほど近代的! ただこのやり方って衛宮士郎という成功もあれば英霊エミヤという失敗もあるわけでうまくいく保証はどこにもない。悪く換言してしまえば「自己責任」。そんな新自由主義的解決策を取れない闇属性がどうすれば幸せになれるのかというのが問題なのに、これでは解になっていないね。

 リア充しか生きられない社会で非リアがどう生きていくかという問題は実際問題とても重要なことだと思うので海燕さんが妙案を見つけ出すことを祈っております。

No.124 140ヶ月前

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